◎ツイッターとインスタは「ヘイトスピーチに関するポリシーに違反した」としてカニエ・ウェストさんの投稿を削除している。
2020年2月9日/カリフォルニア州ビバリーヒルズ、キム・カーダシアンさんとラッパーのカニエ・ウェストさん(Evan Agostini/Invision/AP通信)

米国の超人気ラッパー、カニエ・ウェスト(Kanye West)さんが反ユダヤ主義的なメッセージをSNSに投稿し、自身のツイッターとインスタグラムアカウントをロックされた。

昨年、本名を「イェ(Ye)」に改名したカニエさんは週末、別の超人気ラッパー「ディディ(Diddy、本名ショーン・コムズ)さんがユダヤ人に操られているとインスタに非難声明を投稿した後、凍結処理された。

イェさんは長年、反ユダヤ主義的な陰謀論を世界に発信し、批判を浴びてきた。

イェさんはツイッターアカウントの凍結を解除された直後にユダヤ人を差別するコメントを投稿し、再び凍結された。

ツイッターとインスタは「ヘイトスピーチに関するポリシーに違反した」としてイェさんの投稿を削除している。

イェさんは先週、パリのファッションウィークで「ホワイト・ライブズ・マター」と書かれたTシャツを着用し、批判を浴びたばかりである。

このスローガンは米歌手のローリン・ヒル(Lauryn Hill)の娘でレゲエの神様ボブ・マーリー(Bob Marley)の孫娘であるセーラ・マーリー(Selah Marley)さんがモデルを務めたYZYのファッションショーでも登場した。

反ユダヤ主義を監視する人権団体「名誉毀損防止同盟(ADL)」はこのフレーズを「ヘイトスピーチ」と呼び、2015年に白人至上主義者が使い始めた言葉に起因すると指摘した。

多くのラッパーや活動家がイェさんの暴走に不満を表明している。

ラッパーのディディさんは、「ロックのかけらも感じない」とインスタグラムに投稿している。「そのシャツはダメだ。ブラック・ライブズ・マターと一緒にプレイしちゃいけない。そのシャツを着るな、買うな、そのシャツで遊ぶな。冗談じゃない」

その後、イェさんはディディさんとのメールのやり取りと思われる画像を自身のインスタに投稿し、「俺たちのコンボが気に入らなかったんだ。俺はこのTシャツを売っているんだ。誰も俺と俺の金の間に割って入ることはできない」と反撃した。

ディディさんがもう一度やめるように頼むと、イェさんはユダヤ人がこの陰謀に関与していると示唆した。「このマークを見てくれ。どうやって俺をインスタグラムから追い出したんだ?」

「私は今夜少し眠い...中略...というのも、黒人も実はユダヤ人なんだ。お前らは俺をもてあそび、お前らのアジェンダに反対する奴を消そうとしている」

このツイートはその後削除され、イェさんのアカウントは凍結処理された。

イェさん数年前に双極性障害と診断され、メンタルに問題を抱えていると公言している。

イェさんは長い間、常軌を逸した行動や物議を醸す発言をしてきたが、今回の反ユダヤ発言は同氏のビジネスに損害を与える可能性がある。

アディダス社はイェさんがプロデュースした靴の仕上がりにイェさん本人が不満を表明したインタビューを受け、契約を見直すと発表した。

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