◎この山火事により、約8000ヘクタールが焼失し、700人以上が避難を余儀なくされた。
2022年7月15日/スペイン、地中海沿岸マラガ近郊のミハス(Ashley Baker)

スペイン当局は19日、首都マドリードの西方に位置するエストレマドゥーラ州の4つの集落で発生した山火事について、放火の可能性があり、捜査を進めていると明らかにした。

消防によると、この山火事により、約8000ヘクタールが焼失し、700人以上が避難を余儀なくされたという。

このうち少なくとも1つの山火事が延焼を続け、陸軍兵士50人と消防士400人以上が消火に当たっている。

消防によると、火災は17日遅くに発生。数キロ離れた2カ所でほぼ同時に発生したため、放火の可能性が高いという。

エストレマドゥーラ州政府の報道官は声明で、「放火に関与した者たちは被害が拡大しやすい夜に火を放ったのだろう」と述べている。

警察も山火事の多くが放火や過失(花火やバーベキューなど)によるものと考えている。

消防によると、炎が市中心部に接近する可能性は低いものの、強風と極度の乾燥が消火を妨げているという。

スペインでは昨年、山火事により、約2670㎢(東京都面積の1.2倍)が焼失。1994年以来最悪の山火事シーズンとなった。

EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、昨年欧州で焼失した面積の35%がスペインだった。

同国はこの3年、高温と極度の乾燥に悩まされている。

スペイン国立気象局(AEMET)は今月初め、先月の平均気温が1961年に統計を取り始めて以来、初めて15度近くに達したと発表。観測史上最も乾燥した4月となり、全国の30%近くが「干ばつ」のカテゴリーに分類される事態となった。

全国の平均貯水量は50%を下回っている。

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