◎アストゥリアス自治州の消防当局は31日早朝、35地域で116件の山火事に対処していると報告した。
ポルトガルとスペインの国境近くで発生した山火事(Getty-Images)

スペイン政府は31日、北部アストゥリアス自治州で発生した100件超の山火事の大半が放火によるものと発表した。

火災は複数の地域で2日ほど前に発生。乾燥と強風によってあっという間に燃え広がり、周辺の住民約400人が避難を余儀なくされた。

アストゥリアス自治州の首相府は声明で、「法の力を結集して事件に対処する」と述べている。

それによると、不特定多数の放火犯が関与している可能性が高いという。

首相府は声明の中で放火犯を「火事場のテロリスト」と呼び、「異常気象を利用して組織的に火災を起こした」と非難した。

地元メディアによると、逮捕者は今のところ出ていないという。

アストゥリアス自治州の消防当局は31日早朝、35地域で116件の山火事に対処していると報告した。その後、火災の数は97件に減少した。

中国を訪問中のサンチェス(Pedro Sánchez)首相は31日、被災地への支援を約束し、火災が放火によるものだと証明されれば、関与した者は法に基づき厳しく処罰されると述べた。

スペイン国営テレビは関係者の話として、「火元はまだはっきりしていないが、火災は人がほとんど出入りしない山間部で同時多発的に発生しており、放火犯による組織的な犯行の可能性を除外できない」と報じている。

被害の全容は明らかになっておらず、消防と警察が調査を進めている。

スペインでは昨年、山火事により約2670㎢が焼失し、1994年以来の大きな被害を受けた。

スペイン東部カステリョンデラプラナでも今週、原因不明の山火事が発生し、4600ヘクタール以上が焼け、1400人以上が避難する事態となった。

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