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イタリア・ポー川の水量急減、海水が逆流し農作物に影響も

ポー川流域では6月中旬以降、高温と少雨が続き、川の流量は2週間足らずで毎秒約1000立方メートルから300立方メートル未満へと急減した。
2026年6月26日/イタリア北部、ポー川の河口付近(ロイター通信)

欧州を襲う記録的な熱波の影響で、イタリア最長の河川「ポー川」の水量が急減し、河口から海水が内陸へ逆流する「塩水遡上」が深刻化している。農業用水の塩分濃度が上昇し、北部の穀倉地帯では農作物への被害が懸念されており、気候変動が農業生産に与える影響が改めて浮き彫りとなった。

ポー川流域では6月中旬以降、高温と少雨が続き、川の流量は2週間足らずで毎秒約1000立方メートルから300立方メートル未満へと急減した。このため河口では海水が約18キロメートル内陸まで入り込み、農地や湿地帯に塩水が流入する事態となっている。専門家は、かつて想定されていた最低流量を大きく下回る状況で、異常気象の激甚化を示す象徴的な事例だと指摘する。

河口部に位置するポルト・トッレ周辺では大豆やトウモロコシ、ヒマワリ、アルファルファ、水稲など幅広い農作物が栽培されている。しかし、塩分を含んだ水で灌漑すれば土壌の塩害を招き、収穫量や品質が大幅に低下する恐れがある。このため、水利管理者は塩水が入り込んだ用水路を閉鎖し、農地への流入を防ぐ対応を進めているものの、その結果、利用できる農業用水そのものが不足するという問題が生じている。

ポー川流域では1980年代に海水の逆流を防ぐための施設が整備されたが、今回のような急激な水位低下への対応は難しいとしている。農家からは「夏本番を迎える前からこれほど深刻な状況になるとは予想していなかった」と不安の声が上がり、このまま雨が降らなければ作物が収穫できなくなる可能性もあるとして危機感を強めている。

今回の熱波はイタリアだけでなく、イギリスやフランス、ドイツ、スイスなど欧州各国でも40度前後の猛暑をもたらし、各地で観測史上最高気温を更新した。道路や鉄道などのインフラにも影響が広がり、健康被害への警戒も続いている。研究者はこのような極端な高温現象が人為的な気候変動によって発生しやすくなっていると指摘し、ポー川流域で進む塩水遡上も、今後より頻繁に発生する可能性があると警鐘を鳴らしている。欧州有数の農業地帯を支える水資源の確保と、気候変動への適応策の強化が喫緊の課題となっている。

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