◎ソーシャルメディアで共有された動画には「大統領、助けてください」と涙ながらに訴える女児の姿が映っていた。
2024年4月8日/ロシア・オルスク、ダム決壊により冠水した道路(AP通信)

ロシア中部オレンブルク州の都市オルスクの市庁舎前で8日、ダム決壊による洪水に抗議する集会が開かれ、数百人が参加した。

国営テレビによると、デモ隊は市当局の対応が遅れたと繰り返し非難し、プーチン(Vladimir Putin)大統領に助けを求めたという。

ソーシャルメディアで共有された動画には「大統領、助けてください」と涙ながらに訴える女児の姿が映っていた。

ロシア大統領府は8日、非常事態宣言下にあるオレンブルク州に必要な支援を速やかに送るよう非常事態省に命じたと明らかにした。

カザフスタン国境に近いウラル山脈南部のダムは5日夜に決壊し、900人近くの子供を含む数千人が避難を余儀なくされた。

国営タス通信は8日、オルスクだけで民家約7000戸が浸水し、水位は8日午前の時点で上昇し続けていると報じた。

中央政府は7日、オレンブルク州全域に非常事態宣言を発出。州政府などと連携して被災者の避難を進めるとしている。

国営テレビによると、他の3地域の首長も洪水のリスクが高まっているとして、避難準備を開始したという。

抗議デモはオルスクの市庁舎前で数時間にわたって行われ、数百人が怒りの声を上げた。報道によると、デモは平和的に行われたという。逮捕者が出たという情報はない。

タスによると、オレンブルク州政府は洪水で避難を余儀なくされた市民に1人あたり月1万ルーブル(約1万6400円)を補償金として支払うと約束したという。

一方、西部スモレンスク州では8日、首都モスクワの西方約230キロに位置する町の陸橋が一部崩落し、1人が死亡、数人が負傷した。

陸橋の破片は下の線路に落下し、ベラルーシに向かう鉄道が運行できなくなった。タスは当局者の話しとして、「陸橋下に敷設されていたガスパイプラインが破損した」と伝えている。

スポンサーリンク