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メキシコ・カリブ海沿岸に海藻大量漂着、観光業に打撃、環境被害も深刻

サルガッサムは本来、外洋を漂う海藻として海洋生物の生息場所となる一方、海岸に漂着すると深刻な問題を引き起こす。
2026年7月22日/メキシコ、キンタナロー州トゥルムの海岸、海藻を除去する作業員(ロイター通信)

メキシコ東部カリブ海沿岸で海藻「サルガッサム(ホンダワラ類)」の漂着量が過去最多となる見通しとなり、観光業や沿岸の生態系への影響が深刻化している。環境当局は2026年末までに約11万9000トンが海岸に打ち上げられると予測し、前年の過去最高記録9万6000トンを大幅に上回る見込みだ。

被害が集中しているのは、カンクンやプラヤデルカルメン、トゥルムなど世界的なリゾート地を抱えるキンタナロー州である。海岸には悪臭を放つ大量の海藻が堆積し、一部のビーチは閉鎖を余儀なくされた。

青く澄んだ海と白い砂浜を目当てに訪れる観光客が減少し、ホテルやレストラン、観光関連事業者は予約のキャンセルや売り上げの落ち込みに直面している。州政府は海藻被害による経済損失が年間約20億ドルに達し、ホテル業界だけでも約1億5000万ドルの損害が生じると試算している。

サルガッサムは本来、外洋を漂う海藻として海洋生物の生息場所となる一方、海岸に漂着すると深刻な問題を引き起こす。腐敗が進むと硫化水素などを発生させて強い悪臭を放つほか、海水中の酸素濃度を低下させ、サンゴ礁や海草藻場など沿岸生態系に悪影響を及ぼす。また、分解過程でヒ素などの有害物質が放出される可能性も指摘されている。清掃作業に従事する労働者からは、皮膚の炎症や吐き気など健康被害を訴える声も上がっている。

専門家は、海面水温の上昇や豊富な日光、海流の変化などが海藻の異常繁殖を促していると分析している。近年は毎年のように大量漂着が発生しているが、今年は過去最大となる見込みで、従来の回収体制では対応が追いつかない状況だという。

メキシコ海軍は沖合に海上バリア(漂流物防護柵)を設置するなど、海藻が海岸に到達する前に回収する作業を進めているほか、政府も新たな対応計画の策定を急いでいる。

専門家は衛星観測を活用した早期監視体制の整備や、漂着前の回収を強化する広域的な対策が不可欠だと指摘しており、気候変動の影響が強まる中で、観光資源と自然環境を守るための持続的な取り組みが求められている。

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