◎米国、中国、国連などの外国政府・国際機関・その他大勢のボランティアが被災地で支援に当たっている。
2022年9月7日/パキスタン、シンド州、中国政府が提供した仮設キャンプ(Fareed Khan/AP通信)

記録的な洪水に見舞われたパキスタン南部シンド州でボランティアと軍による支援活動が続いている。

国連の支援を受けるボランティアチームは州郊外の集落にボートで移動し、取り残された人々を避難させた。

パキスタン国家防災管理庁(NDMA)は7日、死者数が1350人を超え、60万人以上がホームレスになり、330万人以上が緊急の食料支援を必要としていると国際社会に呼びかけた。

6月中旬から始まった前例のない大雨は大洪水を引き起こした。NDMAによると、一時は国土の3分の1が水没したものの、水は徐々に引き始めているという。

しかし、排水設備が整っていない地方都市では水がなかなか引かず、衛生状態の悪化と感染症の蔓延が懸念されている。

NDMAによると、被災者は確認できているだけで330万人を超え、約17万7000人が仮設キャンプに身を寄せ、数十万人が野宿を余儀なくされているという。

米国、中国、国連などの外国政府・国際機関・その他大勢のボランティアが被災地で支援に当たっている。

慈善団体のボランティアは支援が届きにくい遠隔地で主に活動している。州政府によると、一部地域の住民はこの規模の洪水を経験したことがなく、どこに避難すればよいか分からず、途方に暮れているという。

連邦政府は兵士を6000人以上現地に派遣しているが、浸水した地域があまりに多く、支援が行き届くにはかなりの時間がかかると警告している。

シンド州南部で活動しているボランティアグループの男性はAP通信の取材に対し、「この数週間で数十人を避難させた」と語った。

同州郊外の村から救助された男性は、「13日間助けを待っていた」と説明した。「家も家畜も何もかも流されてしまいました...」

別のボランティアグループはボートで郊外の集落を転々とし、妊婦を含む数十人を安全な場所に移送したとSNSに投稿している。

南西部バルチスタン州でもボランティアがフル稼働しており、同国最大の慈善団体「エディー財団(Edhi Foundation)」はこの数週間で4000人以上を避難させたと報告した。

NDMAによると、南部の天候は回復しつつあるものの、シンド州の広い範囲でなかなか水が引かず、支援活動に支障が出ているという。

国連は先週、国際社会に1億6000万ドルの緊急支援を呼びかけ、それ以来、多くの国や援助機関が食料・医薬品・仮設キャンプなどを現地に届けている。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は7日のテレビ演説でシンド州の現状を「大惨事」と表現し、「これほど恐ろしい光景を目にしたことはない」と語った。

またシャリフ氏は支援を提供してくれた関係国や機関に謝意を示し、家を失った人に住まいを提供する準備が進んでいると報告した。

2022年9月7日/パキスタン、シンド州、支援物資を運ぶ人々(Fareed Khan/AP通信)
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