◎インドのほとんどの地域は現在、高温に見舞われている。例年であれば、5月末にはモンスーンの雨で気温が下がり始める。
2023年5月22日/インド、北部ウッタルプラデシュ州郊外、建設現場で水浴びする男性(Rajesh Kumar Singh/AP通信)

インドの北西部から南東部の広い範囲で猛暑が続き、首都ニューデリー当局は高温・熱中症警報を発令した。

インド気象局は先週、南部と中部の7州に熱中症警戒情報を出し、22日にはニューデリーを含むいくつかの都市に警報を出した。

同局は声明で、「梅雨入りが遅れており、少なくとも1週間はこの状態が続くとみられる」と警告している。今年のモンスーンシーズン(雨期)は例年よりやや遅く、6月の第1週と見込まれている。

北部ウッタルプラデシュ州では最高気温が連日40度を超え、45度を超えた地点もあった。

州政府は停電を回避するために市内の発電所をフル稼働するよう電力会社に命じているが、一部地域では計画停電が相次ぎ、1日12時間以上停電している場所もある。

ウッタルプラデシュ州の州都ラクナウではこの週末、近郊の発電所近くに地元住民数百人が集まり、電力会社に抗議した。

インドのほとんどの地域は現在、高温に見舞われている。例年であれば、5月末にはモンスーンの雨で気温が下がり始める。

しかし、気温はこの10年でより高くなり、熱中症や水不足で命を落とす人が相次いでいる。

猛暑の原因を調べる科学コンソーシアム「ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)」の研究によると、先月南アジアの一部地域を襲った猛暑は気候変動によるもので、その発生確率はこの数年で30倍以上に跳ね上がったという。

インドの金融都市ムンバイで先月行われた政府のイベントでは熱中症とみられる症状で13人が死亡し、一部の州は1週間すべての学校を休校した。

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