◎地震は9月8日に発生。地震の規模を占めるマグニチュードは6.8。震源地は観光地マラケシュの南西約72キロの地点。震源の深さは18.5キロだった。
2023年9月9日/モロッコ・アルホウズ近郊の住宅地、M6.8の地震で崩れた建物と住民(Getty Images)

モロッコ政府は6日、先月8日の地震(M6.8)で被災した市民への現金支給を開始した。

地元メディアによると、地震の死者数は約3000人。数十万人が被災し、復興費用は117億ドルと見積もられている。

国王モハメド6世(King Mohammed VI)が任命した復興を監督する委員会は今週初めに会合を開き、被災地域の住民に1人当たり毎月2500モロッコディルハム(約3万6000円)を支給すると発表していた。

この地震は観光地マラケシュ南部の農村地域に大打撃を与えた。

地元メディアによると、被災地につながる山道の多くが未舗装のままで、地域経済は牧畜と農業に依存している。

地震発生から1カ月経った今も自治体職員を含む多くの市民が簡易テントで寝泊まりし、町・村の再建という困難な仕事に直面している。

この支援金は中央政府が被災地に提供する救済策のひとつである。

政府は住居を再建する費用として、最大14万モロッコディルハム(約200万円)を無担保で融資する予定だ。

また政府は約1000の学校と42の保健所の再建も計画している。

最も大きな被害を受けたマラケシュを含む周辺5県にはおよそ420万人が住んでいる。

政府は被災地の道路インフラの改良と拡張、農家と牧畜業者への追加支援、被害の大きかった地域の大麦と家畜飼料への補助金などを約束している。

また政府は地震の3日後に特別災害救援基金を設立。この基金には国の予算と、政府や援助団体を含むモロッコ内外からの寄付が受け入れられている。

さらに、来週マラケシュで年次総会を開催する予定の国際通貨基金(IMF)はモロッコの自然災害への耐性を強化する13億ドルの緊急融資を承認した。

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