一部地域で「危険な暑さ」にさらされる期間が増加 地球温暖化
研究チームは単純な気温ではなく、人間が実際に感じる暑さを示す「体感温度」に着目した。
.jpg)
メキシコやイタリア、ケニアなど世界各地で、市民が危険な暑さにさらされる「熱ストレス」の期間が1970年代と比べて最大で約2カ月長くなっていることが、新たな研究で明らかになった。研究成果は22日、科学誌「ネイチャー・クライメイト・チェンジ」に掲載された。
研究チームは単純な気温ではなく、人間が実際に感じる暑さを示す「体感温度」に着目した。気温に加え、湿度や風速などの要素を組み込んだ「世界標準熱気候指数(UTCI)」を用いて分析した結果、世界の多くの地域で熱ストレスの日数が大幅に増加していることが判明した。
特に影響が大きいのはアフリカ南部、アフリカ東部、メキシコ、中米、南ヨーロッパで、年間50日以上も強い熱ストレスにさらされる日数が増えた地域もあるという。これまで比較的影響が小さかった地域でも熱ストレスが確認されるようになり、暑さのリスクが世界的に拡大している実態が浮き彫りとなった。
研究ではまた、日中の高温だけでなく、夜間も気温が20度を下回らない「熱帯夜」の増加が顕著であることも示された。夜間に気温が十分下がらないと人体は日中に受けた熱の負荷を回復しにくくなり、健康被害のリスクが高まる。特に高齢者や持病を抱える人にとって深刻な問題となる。
研究者たちは、こうした変化の主な要因として石炭や石油、天然ガスなど化石燃料の利用による地球温暖化を挙げる。気温上昇に加え、湿度の高まりによって汗が蒸発しにくくなり、体温調節機能が妨げられるためだ。湿度を伴う高温は乾燥した暑さよりも危険で、熱中症や死亡リスクを高めると指摘している。
近年、欧州では40度を超える熱波が頻発し、休校や屋外活動の制限などの対策が取られている。専門家は今後も温暖化が進行すれば熱ストレスの期間と強度はさらに増す可能性が高いと警告する。研究チームは温室効果ガス排出削減とともに、早期警戒システムや公衆衛生対策の強化を急ぐ必要があるとしている。
