◎温室効果ガスは世界の気温を押し上げている。
2022年10月27日/フランス南西部の海岸(Getty Images/AFP通信)

フランスとスペインのメディアによると、一部地域の気温が急上昇し、10月下旬とは思えない暖かさを記録したという。

フランス南西部のビーチには多くの海水浴客が集まった。AFP通信の取材に応じた男性は、「まだ日焼けを楽しめる」と語った。

欧州諸国はエネルギー価格の高騰に悩まされているが、フランスとスペインの一部地域で生活する数百万人はまだ暖房の心配をする必要はなさそうだ。

温室効果ガスは世界の気温を押し上げている。

地球温暖化の影響で夏の熱波はより激しく、より長くなり、多くの国で山火事が発生した。

主要国は7年前のCOP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)で地球の気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス2度以下、可能であれば1.5度以下に抑えることに合意。昨年のCOP26の共同宣言では、気温上昇を産業革命以前の平均気温のプラス1.5度以内に抑えるという「努力目標」を世界の共通目標として明記した。

しかし、国連によると、産業革命以来、地球の平均気温はすでに1.1度上昇しており、世界が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しない限り、気温の上昇は続くという。

フランスの気象当局によると、南東部ニースの最高気温は今後数日24度前後となる見込み。スペイン南部マラガでも同様の予報が出ている。フランスの過去10日間の平均気温は平年より5~6度も高くなった。

仏国営ラジオ放送局RFIは専門家の話を引用し、「この異常な高温は地球規模の温暖化が引き起こしたものであり、数十年後にはコートがいらなくなるかもしれない」と報じた。

SNSで共有された動画には10月末にもかかわらず、半袖短パンで町を行き交う人の姿が映っていた。

スペインのあるツイッターユーザーは、「バルセロナでも半袖の人が多く、ジャケットを着ている人はほとんどいない」と投稿している。

2022年10月27日/スペイン、バルセロナの通り(ロイター通信)
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