SHARE:

フランス6月熱波、超過死亡5700人、3分の2が75歳以上

6月17日から7月2日までの期間に熱波の影響を受けた地域では2万1674人が死亡し、平年並みの1万5910人を大きく上回った。
2026年6月26日/フランス、パリ市内(AP通信)

フランスの公衆衛生当局は22日、6月中旬から7月初旬にかけて同国を襲った記録的な熱波の影響で、通常予想される死亡数を約5700人上回る「超過死亡」が確認されたと発表した。

6月17日から7月2日までの期間に熱波の影響を受けた地域では2万1674人が死亡し、平年並みの1万5910人を大きく上回った。超過死亡率は36%に達し、欧州で約1万5000人が死亡した2003年の熱波以降で最も深刻な水準となった。

熱波は6月下旬にピークを迎え、6月25日から27日にかけて各地で気温が40度を超えた。超過死亡の半数以上がこの3日間に集中したとされる。特にパリ首都圏では死者数が平年より約80%増加し、超過死亡は約2000人に上った。高齢者施設や自宅で死亡するケースも多く、病院だけでなく葬儀業者や遺体安置施設も対応に追われた。

当局によると、超過死亡者の3分の2は75歳以上の高齢者だった。高温は心臓や呼吸器への負担を増大させるほか、持病を悪化させるため、死因として直接「熱中症」と記録されないケースも少なくない。このため、熱波による健康被害は統計上過小評価される可能性があると専門家は指摘している。

フランスでは2003年の猛暑で約1万5000人が死亡したことを教訓に、暑さ警報や高齢者の見守り体制を強化してきた。しかし今回の熱波では、過去の対策だけでは十分に対応できない実態が浮き彫りとなった。高齢化が進む一方で、冷房設備が十分でない介護施設や住宅も多く、猛暑への適応策が課題となっている。

今回の熱波はフランスだけでなく欧州各国にも深刻な影響を与えた。各国の統計では、6月下旬の熱波による欧州全体の超過死亡は1万人を超えたとみられ、スペインやドイツ、イギリスなどでも多数の死者が報告されている。

専門家は温暖化の進行によって高温現象の頻度や強度が増していると指摘しており、猛暑が公衆衛生上の重大なリスクとして定着しつつあると警鐘を鳴らしている。フランス当局は今後も死亡データの精査を進め、被害状況を公表する方針である。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします