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欧州熱波:パリで遺体安置所が不足、対応に追われる葬儀業者

フランス公衆衛生庁によると、熱波がピークを迎えた先週、死亡者数が急増した。
2026年6月26日/フランス、パリ市内の公共噴水(AP通信)

欧州を襲った記録的な熱波により、フランス・パリでは死亡者数が急増し、遺体安置施設が収容能力を超える事態となっている。葬儀業者や遺族は安置場所の確保に追われ、市当局は臨時の冷蔵設備を設置するなど対応に乗り出したが、現場では深刻な混乱が続いている。熱波はフランスから中欧・東欧へと広がり、各国で気温の記録更新や医療体制への負荷が相次いでいる。

AP通信によると、パリ近郊の葬儀場では遺体を収容する冷蔵室32区画がすべて埋まり、さらに、全国の葬儀業者から「遺体を預かる場所はないか」と問い合わせが殺到しているという。しかし、受け入れ余地はなく、運営責任者はAPに「信じられないほど悲惨な状況だ」と語った。

パリ市内の他の施設も満杯で、一部の遺体はパリから80キロほど離れたシャルトルなど遠方に搬送されている。市内の葬儀業者は施設外への冷蔵コンテナ設置を当局に申請しているが、許可はまだ下りていない。

フランス公衆衛生庁によると、熱波がピークを迎えた先週、死亡者数が急増した。猛暑前の4~5月は1日当たり約900~1000人だった死亡者数が、最高気温を更新した6月24日には1200人を超え、さらに25日と26日には1400人以上に達した。現時点で少なくとも1000~1300人が熱中症により死亡したとみられるが、自宅や高齢者施設で死亡した人の届け出が遅れていることから、犠牲者数はさらに増える見通しである。死亡者の85%は65歳以上で、自宅で亡くなるケースが4割増加した。

パリ市は市営遺体安置所向けに20人分ずつ収容できる臨時保管設備2基を設置し、市内の病院も約50人分の収容スペースを追加した。しかし、現場では依然として受け入れ能力が不足しており、遺族は葬儀の日程調整にも苦慮している。葬儀関係者は「家族は大きな苦しみを抱えているが、提供できる解決策がない」と窮状を訴える。

フランスでは2003年にも猛暑で約1万5000人が死亡し、高齢者支援の見直しが進められた。しかし、今回の熱波では再び独居高齢者の死亡が相次いでいる。葬儀業者はAPの取材に対し「2003年の教訓が忘れられてしまった」と指摘。住民同士が高齢者の安否を気遣い、水分補給などを呼びかける地域の支え合いを取り戻す必要があると訴えた。専門家は気候変動によって極端な高温現象が頻発する中、医療や介護、都市インフラの強化が不可欠だと警鐘を鳴らしている。

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