欧州熱波、ヒートドームの範囲拡大、東欧でも気温上昇
気候専門家は今回の熱波について、地球温暖化の影響なしにはほぼ発生し得なかったとの分析を示している。
.jpg)
欧州各国で記録的な猛暑が続く中、熱波が東欧や南欧へと勢力を拡大している。各国の保健当局は熱中症患者の急増や高齢者の死亡リスクの高まりを受けて警戒態勢を強化し、気象当局は今後も40度前後の高温が続くとして不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。今回の熱波は6月20日ごろから西欧で始まり、高気圧が長期間停滞する「オメガブロック」と呼ばれる気象パターンによって発生した。各地では平年を最大18度上回る異常高温が観測され、欧州全域で影響が広がっている。
フランスでは26日、首都パリで最高気温40.9度を記録し、医療機関に熱中症患者が相次いで搬送された。パリ地域だけでも1日で55人の熱関連死が報告され、政府は高齢者施設や病院への支援を強化している。イギリスでも6月の最高気温を3日連続で更新、スイスやイタリアでも観測史上最高水準の暑さとなった。イタリアではローマやフィレンツェなど主要都市に最高レベルの暑さ警報が発令され、住民や観光客にこまめな水分補給と日中の外出自粛が求められている。
猛暑は市民生活や社会インフラにも深刻な影響を及ぼしている。ドイツでは高温によって道路舗装が軟化し、一部区間で通行規制が実施された。スウェーデンでは線路の変形により列車の脱線事故が発生し、交通網に混乱が広がった。フランスでは屋外音楽祭が中止され、ベルギーでも歴史イベントが取りやめになるなど、催しへの影響も相次いでいる。各国で学校の休校や観光施設の営業時間短縮など、暑さを考慮した対応が進められている。
医療現場では患者の急増に加え、高温によってMRIなどの医療機器が正常に稼働しなくなる恐れも指摘されている。特に北欧や西欧では住宅へのエアコン普及率が約2割と低く、冷房設備がないことが被害拡大の一因となっている。専門家は高齢者や乳幼児、持病のある人は熱中症や脱水症状の危険性が高いため、冷房の利用やこまめな水分補給を徹底するよう呼びかけている。
気候専門家は今回の熱波について、地球温暖化の影響なしにはほぼ発生し得なかったとの分析を示している。欧州は世界平均の約2倍の速さで気温が上昇しており、極端な高温は今後も続く可能性が高いという。専門家は温室効果ガスの排出削減に加え、都市の緑化や冷房設備の整備、医療体制の強化など、猛暑を前提とした社会インフラの整備を急ぐ必要があると指摘している。
