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インド全土で水不足深刻化、雨季に入っても雨降らず

今年は6月に入っても雨がほとんど降らず、都市部では給水制限、農村部では作付けの遅れや収穫への不安が高まっている。
2026年6月21日/インド、ムンバイ市内、給水車(AP通信)

インドで例年6月に本格化する雨季の到来が遅れ、各地で深刻な水不足と農業への影響が広がっている。モンスーンは9月まで続くインド最大の雨季で、年間降水量の約7割をもたらす「生命線」である。しかし、今年は6月に入っても雨がほとんど降らず、都市部では給水制限、農村部では作付けの遅れや収穫への不安が高まっている。専門家は気候変動によって降雨パターンが不安定化し、今後も同様の事態が起きる可能性があると警鐘を鳴らしている。

マハラシュトラ州ムンバイでは貯水池の水位低下を受けて行政当局が節水措置を導入した。建設現場やプールへの給水が停止され、一部地域では住民が公共の水道に長い列を作る光景が見られる。雨が降り始めた地域でも短時間でやむことが多く、十分な貯水につながっていない。住民の間では飲料水の確保に不安が広がり、日常生活への影響が深刻化している。

農村部では作付け時期の判断が難しくなっている。マハラシュトラ州の綿花農家は平年並みの雨季を見込んで種まきを行ったものの、雨は数日で止み、発芽した作物が枯れる懸念が高まっている。北部ウッタルプラデシュ州や中部マディヤプラデシュ州でも、多くの農家が雨を待って田植えを延期し、雨不足が続けば収穫量の減少につながる可能性がある。インドの農業従事者は約1億2千万人で、その多くは灌漑設備が十分ではないため、雨季への依存度が極めて高い。

専門家は、地球温暖化によって大気中の水蒸気量が増え、雨が長期間にわたって安定して降るのではなく、短時間に集中して降る傾向が強まっていると指摘する。その結果、干ばつと洪水が同じ地域で繰り返し発生し、農業や水資源管理が一段と難しくなっている。また、インドは世界最大の地下水利用国でもあり、地下水位の低下が慢性化していることから、水不足は気候だけでなく資源管理の課題でもある。

中央政府は300を超える農業地区を対象に緊急対応計画を策定し、干ばつに強い雑穀や豆類などへの作付け転換、水源の確保、ため池や貯水施設の整備を各州に促している。一方で、気象台はモンスーンの勢いが徐々に回復しつつあるとの見方も示しているが、6月の降水量は平年を大幅に下回っており、農業への影響を完全に解消できるかは不透明だ。気候変動の影響で降雨の予測が難しくなる中、都市の水供給体制と農業の適応力を高めることが喫緊の課題となっている。

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