◎ジャスパー国立公園はカナディアン・ロッキー最大の国立公園であり、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。
2024年7月25日/カナダ、西部アルバータ州、ジャスパー国立公園近くで発生した山火事(AP通信)

カナダ西部アルバータ州のユネスコ世界自然遺産、ジャスパー国立公園で発生した山火事について、地元当局は26日、同園と周辺の町で350以上の建造物が焼失したと明らかにした。

アルバータ州は数週間前から熱波に覆われ、山火事が多発。これまでに数万人が避難を余儀なくされている。

ジャスパー国立公園では22日に少なくとも2カ所で大きな山火事が発生。当局は周辺住民と観光客、約2万5000人に避難を命じた。

消防によると、同園周辺の町の約30%で被害が確認されたという。

カナダ放送協会(CBC)は関係者の話しとして、「町内にある建造物1113戸のうち358戸が焼失した」と報じた。

ジャスパー市の市長室は声明で、「重要な公共インフラは被害を免れている」と述べた。

それによると、市中心部の水道施設、病院、学校、廃棄物処理場などは今のところ正常に稼働しているという。被害は市の西側に集中していた。

同州政府は中央政府に支援を要請。トルドー(Justin Trudeau)首相は25日、陸軍に出動を命じた。

消防や警察によると、負傷者の情報は今のところ確認されていないという。

カナダの山火事シーズンは5月から10月頃まで続く。昨年の焼失面積は同国史上最悪の1万5000平方キロメートル超(岩手県とほぼ同じ)、23万人以上が避難を余儀なくされ、4人の消防士が亡くなった。

山火事の原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

気象台によると、アルバータ州の高温と乾燥はしばらく続く見通し。同州全域で200件近くの山火事が発生し、その多くが制御不能状態となっている。

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