ロイター通信/オーストラリア、フレーザー島

消防当局によると、オーストラリアの人気観光地のひとつ、フレーザー島で山火事が悪化したため、住民に避難命令を出したという。

消防士たちは、クイーンズランド州東海岸沖に位置する島で発生した巨大な山火事の対応に苦慮している。

今回の山火事は10月中旬の違法なキャンプファイヤーによって引き起こされ、これまでに少なくとも82,500ヘクタール(東京ドーム17,650個分)を焼き尽くした。なお、フレーザー島はユネスコ自然遺産に登録されている。

当局は「南東部で発生中の熱波」が炎の勢いを強めていると述べた。

今回の山火事は昨年の夏の終わり以来、最も深刻な規模に発展したもののひとつである。

オーストラリアの2019ー2020年の山火事シーズンは苛烈だった。

炎は全ての州に影響を及ぼし、約24万㎢(北海道面積の約2.9倍)の土地を燃やし、3,000以上の家屋を破壊し、推定30億匹の動物を殺害または土地から追放した。

科学者たちは季節性の山火事を気候変動と関連づけている。

炎は島の南東方向、ハッピーバレーに向かって進んでおり、12月7日深夜に「コミュニティに深刻な影響を与える」と予想された。

消防当局は声明の中で、「火災の進行を防げない可能性がある。対象地域の住民は速やかに避難すること」と警告した。

キングフィッシャーベイリゾートアンドビレッジでも避難準備指示が出ている。

クイーンズランド州消防当局のマーク・ライアン氏は地元メディアに、「消防士90人、消防車両38台、航空機17機がフレーザー島で活動している」と語った。

またライアン氏によると、消防隊の約3分の1がハッピーバレーの山火事に対処しているという。

同州の消防署長、グレッグ・リーチ氏は、高温と強風が隊の活動を妨げ、困難に陥っていると述べた。

グレッグ・リーチ署長:
「この火災との戦いは長丁場になる。大雨が降るまで、完全に鎮火することはないだろう」

ロイター通信/オーストラリア、フレーザー島
ロイター通信/オーストラリア、フレーザー島、消火活動の様子

オーストラリアの山火事は、暑く乾燥する夏の間に各地で発生する。

ある予測によると、2020ー2021年シーズンは昨年とは異なる規模になるという。

森林火災や自然災害地域共同研究センターは報告で、「今年の規模は例年並み。過去2年とは大きく異なる」と予測した。

同センターの責任者、リチャード・ソーントン博士はフレーザー島の状況について、「南東部の州の山火事シーズンは始まったばかりだ」と述べた。

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