南ヨーロッパ山火事、フランスで火勢弱まる、延焼続く国も
ジロンド県の火災はボルドー近郊で先週発生し、焼失面積は420平方キロメートルに達した。
.jpg)
フランス南西部ジロンド県の山火事について、当局は30日、避難を余儀なくされていた約8万4000人の住民に帰宅を認めた。消防隊による懸命な消火活動に加え、気温の低下や湿度の上昇、降雨が追い風となり、勢いが弱まったとしている。一方で、猛暑と乾燥に見舞われる欧州各地では新たな山火事が相次いで発生しており、各国は厳しい対応を迫られている。
ジロンド県の火災はボルドー近郊で先週発生し、焼失面積は420平方キロメートルに達した。これはパリ市面積の4倍に相当する。火勢が最も強かった時期には約22万4000人が避難し、フランスでは戦時を除けば過去最大規模の住民避難となった。約3300人の消防隊員に加え、航空機やヘリコプター、さらには暴動鎮圧用の放水車まで投入され、周辺国からも消防隊が派遣されるなど国際的な支援を受けながら消火活動が続けられた。
避難解除の対象となった住民は自宅へ戻り始めたが、当局は火種が完全に消えたわけではないとして警戒を呼びかけている。帰宅者には携帯電話を常に携行し、再避難に備えて荷物をまとめておくよう要請した。また、灰や煙による健康被害を防ぐため、清掃時には手袋やマスクを着用し、子どもの玩具やペット用品も十分に洗浄するよう勧告している。ボルドー周辺では煙の影響で喘息患者の救急搬送が増加したことも報告されている。
消防隊は延焼を防ぐため、重機で森林を切り開いて総延長130キロメートル以上の防火帯を設置し、一部では計画的に植生を焼き払う「逆火」の手法も用いて火勢の封じ込めを進めている。主要道路であるA63高速道路も閉鎖を解除し、スペインとの物流や夏季休暇シーズンの交通にも改善の兆しが見え始めた。
しかし、欧州全体では依然として深刻な状況が続く。スペインでは首都マドリード周辺の火災が落ち着き、一部住民が帰宅を始めたものの、バレンシアやサモラ、レオンなどで新たな火災が発生した。
ギリシャでは大規模火災で消防士が死亡し、クレタ島などで避難が続く。イギリスやドイツ、トルコでも火災が発生し、ルーマニアではドナウ川の水位低下により原子力発電所の冷却用水が不足したため、原子炉2基の運転停止を余儀なくされた。俳優のジョージ・クルーニー(George Timothy Clooney)さんも南フランスの自宅近くで発生した山火事のため避難したことを明らかにしている。
欧州は世界で最も温暖化が進む地域の一つとされ、今年は相次ぐ熱波によって森林や草地が極度に乾燥し、火災が発生しやすい状況が続いている。専門家は、気候変動による高温と干ばつの長期化が山火事の大規模化や長期化を招いていると指摘しており、各国は目先の消火活動だけでなく、防災体制や気候変動対策の強化を急いでいる。
