インド・アッサム州豪雨、影響続く、死者100人超、70万人避難
アッサム州はもともと大雨災害が多い地域で、ブラマプトラ川とその支流による浸水リスクが高い。
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インド北東部アッサム州で先月、大雨による洪水が広い範囲で相次ぎ、100人以上が死亡した。州当局は約60年ぶりとなる深刻な洪水と位置付けており、70万人以上が避難を余儀なくされた。多くの農地が水没したほか、道路などのインフラも大きな被害を受け、現在も多数の住民が避難生活を続けている。
被害を拡大させた要因の一つが急激な増水だった。7月19日、短時間のうちにブラマプトラ川の水位が急上昇し、住民が危険を認識する前に洪水に巻き込まれたケースが報告されている。遺族からは、事前の警告がなく、洪水がこれほど急速に悪化するとは予想できなかったとの証言も出ている。
アッサム州はもともと大雨災害が多い地域で、ブラマプトラ川とその支流による浸水リスクが高い。州の土地のおよそ40%が洪水の影響を受けやすいとされるが、専門家は今回の被害を単なる季節的な洪水として捉えるべきではないと指摘する。気候変動による豪雨の激甚化に加え、森林伐採、砂の採取、湿地の減少、無秩序な都市化などが水害をさらに深刻化させているという。
これまでインドでは堤防の建設や洪水後の救助・救援に多額の資金が投入されてきた。しかし専門家は、災害が起きてから対応するだけでは限界があるとして、より精度の高い早期警報システム、洪水リスクの科学的な地図化、避難訓練の充実を求めている。特に、警報を発令するだけでなく、実際に危険地域の住民に迅速かつ確実に伝える仕組みが重要になる。
長期的には、堤防などで封じ込める発想からの転換も必要になる。森林や湿地、氾濫原は大量の水を吸収・貯留する自然の防災機能があり、これらを保全・再生することで洪水リスクを低減できる可能性がある。また、河川は州境を越えて流れるため、アッサム州だけでなく上流域を含めた広域的な水管理も不可欠だ。
今回の洪水は、気候変動によって従来の経験則だけでは予測しにくい水害が増える中、災害対策の重点を「被災後の救援」から「被災前の予測・回避」へ移す必要性を示した。アッサム州で水害の犠牲を減らすには、早期警報、土地利用の見直し、自然環境の回復、流域全体の長期的な計画を組み合わせた総合的な対策が求められる。
