◎イギリスとドイツの感染状況は、ロックダウン(外出禁止令)発出以降も高止まりしている。
◎ロックダウン(外出禁止令)の効果を疑問視する声が上がっている。
2020年7月 Getty Images/イギリス、ロンドン

イギリスのロックダウン(外出禁止令、対象:ティア4)

・必須小売店(食料品店、薬局など)以外はすべて閉鎖。
・ジムと屋内プールは閉鎖。屋外プール、スポーツコート、ゴルフコースは営業可能。
・ティア4エリアの市民は、限られた理由(仕事、教育など)を除き旅行禁止。
・共同の宗教施設(礼拝所など)は営業可能。
・結婚式などのイベントは原則禁止。
・他の世帯の住民に会う場合、できるだけ早く、少なくとも5日間、不要な社会的接触を停止する。
・子供もガイダンスに従うこと。
・別居中の親とその子供の接触は免除される。

ドイツのロックダウン(12月16日~1月10日)

学校はすべて閉鎖、オンライン授業に移行。保育園もオンライン授業
・第三者との接触は1最大5人まで。ただし、14歳以下はカウントされない。
・集会はすべて禁止。
・バーは閉鎖、レストランはテイクアウトのみ可。
・店舗および屋外での食事は禁止。公共の場でのアルコール飲料の販売および消費も禁止。違反した場合は罰金。
・テレワークができない必要不可欠な企業(インフラの保守、医療関係、物流など)以外はすべてテレワークに移行。
・必需品を販売する食料品店や薬局以外の店舗はすべて閉鎖。
・タトゥー店、マッサージパーラー、その他レジャー施設は全て閉鎖。
・社会的距離を確保できないサービス事業はすべて閉鎖。ただし、理学療法を含む必要な治療を提供する施設は営業可能。
・シナゴーグやモスクなどでの礼拝は、特定の条件を満たせば許可される。
・介護施設、ナーシングホーム、移動式介護・介護サービスは特別な保護措置を講じる必要がある。また、スタッフは定期的にコロナ検査を受けなければならない。
・国内および国外への必須ではない旅行を控えるよう強く要請。
・中小企業の財政を支援する。

2020年12月 AP通信/イギリス、マーガレット・キーナン氏

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、イギリスの累計感染者数は1月3日時点で265万件、累計死亡者数は75,024人。3日の新規陽性者数は54,990件、死亡者は454人だった。

同国の感染状況は春の第一波を上回る勢いで悪化しており、「ロックダウン(外出禁止令)」の効果を疑問視する声が上がっている

一部の専門家は、「昨年末に発見されたコロナウイルス変異種の影響で、症例数の増加に歯止めがかからなくなった」と指摘した。

ただし、変異種は従来型より感染力は強いと考えられているが、「より致命的である」という証拠は見つかっていない。

政府は感染状況の深刻なエリア(ティア4)の住民に外出禁止令を課した。しかし、ここ数週間の急速な感染拡大を受け、政府は新たなかじ取りを迫られている。

国民保健サービス(NHS)のサイモン・スティーブンス卿は声明で、「感染急拡大の波が医療従事者を飲み込もうとしている。私たちは嵐の中に入った」と述べた。

1月3日、ボリス・ジョンソン首相は、「イングランド全土の制限は恐らく強化される」と警告した。

2020年12月 ロイター通信/ドイツ

春の第一波を抑え込んだドイツも、第二波に苦しめられている。

同国の累計感染者数は1月3日時点で178万件、累計死亡者数は34,791人。3日の新規陽性者数は10,356件、死亡者は311人だった。

ロベルト・コッホ研究所によると、ドイツの12月2日から1月1日までの死亡者は約17,000人だったという。

12月の死亡者数は前月の6,155人から大幅に増加し、過去最高を大きく更新した。なお、9月の死亡者数は約200人、10月は約1,000人だった。

昨年末、アンゲラ・メルケル首相は制限導入の権限を持つ州政府の指導者に対し、学校閉鎖の検討を開始するよう声を荒らげた

しかし、ロックダウン開始(12月16日~)後も感染拡大は一向に収まらず、12月30日の新規症例は過去最高を更新する49,044件に達した。

1月2日、マーブルガーバンド医師組合のスザンヌ・ジョナ博士は、1月10日に終了するロックダウンを延長するよう政府に促した。

スザンヌ・ジョナ博士:
「医療システムはロックダウンを必要としている。封鎖を解除すれば、システムを維持することはできないだろう

2020年12月 BBCニュース/ドイツ
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