◎2回目の接種から6ヶ月を過ぎた被接種者の保護率は90%強から90%弱にわずかに低下したことが確認されたため、2回目の接種から6カ月後に3回目を接種するよう推奨した。
2021年9月14日/イギリス、ロンドンの首相官邸、ボリス・ジョンソン首相(ダンキット・ウッド/Pool/AP通信)

9月14日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は50歳以上の全国民にコロナワクチンの3回目接種を提供すると発表した。

イギリスの保健当局はこの前日、12歳から15歳の児童に対する新たなワクチン接種計画(1回接種)を発表していた。

政府にコロナ政策を助言する合同委員会は記者団に対し、「50歳以上の英国民、医療従事者、基礎疾患のある人、免疫に問題を抱えている人およびその人と一緒に生活している個人にブースターショットを推奨する」と述べた。

合同委員会によると、2回目の接種から6ヶ月を過ぎた被接種者の保護率は90%強から90%弱にわずかに低下したことが確認されたため、2回目の接種から6カ月後に3回目を接種するよう推奨した。ロイター通信などによると、計画の対象者は約3,000万人にのぼるという。

ジョンソン首相は声明の中で、「イギリスのワクチン展開はヨーロッパで最も自由な経済を国民にもたらした」と語った。「私たちは現在の戦略(withコロナ)に固執しており、3回目の接種を強く推奨します...」

イギリスの感染者数はデルタ株の影響で高止まりしており、1日あたりの新規陽性者数は30,000件前後を維持しているが、入院患者数と死亡者数は昨年末のピーク時に比べると大きく減少している。今年初めの全国の入院患者数は40,000人近くに達したが、約8,500人まで減少した。

またジョンソン首相は冬を迎えるにあたり、ワクチンパスポート、マスク着用の義務化、在宅勤務の徹底を含む「プランB」と呼ばれる新たな計画の概要も説明した。主に先進国で導入が進められているワクチンパスポートの対象はナイトクラブや大規模イベント(サッカー、ライブなど)になる予定だが、英国民の生活に欠かせないパブは対象外。

合同委員会の副最高医療責任者、ジョナサン・ヴァンタム博士は記者団に対し、「プランBの発動を避けるためにはワクチン接種を加速させる必要がある」と強調した。「パンデミックは終わっておらず、多くの専門家が今年の冬もでこぼこになる可能性があると警告しています。最悪の事態に備えることが大切です...」

一方、世界保健機関(WHO)はブースターショットを推奨しておらず、少なくとも全ての国の全国民の40%がワクチン接種を終えるまでは3回目を始めるべきではないと先進国に呼びかけている。米食品医薬品局(FDA)は今週、ブースターショットの対象を広げるかどうかを議論する予定。

英政府のチーフメディカルオフィサー、クリス・ウィッティ博士は記者団に、「発展途上国のワクチン展開は非常に重要だが、使用期限に限りがあり、極低温を維持しなければならないファイザーワクチンの輸送は非常に難しい」と指摘した。

ウィッティ博士は、「ワクチンを接種できる資格のあるすべての人にできるだけ早くワクチンを提供することが重要であり、被接種者の入院リスクは未接種者とは比べ物にならないほど低い」と述べた。また、ワクチンを接種していない若者は、高齢の命を危険にさらしていると警告した。

ウィッティ博士はラッパーのニッキー・ミナージュ氏が拡散したツイートについて記者から回答を求められ、「ワクチンに関する誤った情報を広めてはいけない」と警告した。

ミナージュ氏は13日、ワクチン接種を終えた「いとこ」の友人がインポテンツになったと2,200万人以上のフォロワーに発信し、物議を醸していた。

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