◎直近1週間の陽性者は10万人あたり1,300件を超え、世界最悪レベルに達した。11月24日の新規は13,266件、死亡者は71人。
2021年11月23日/スロバキア、首都ブラチスラヴァの医療機関(Martin Baumann/TASR/AP通信)

11月25日、スロバキアはコロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け、2週間の全国封鎖を開始した。

エドゥアルド・ヘゲル首相は24日の記者会見で、「ワクチン接種を終えた人々も制限に従わなければならない」と強調した。

ワクチン未接種者は職場に出勤する際、PCR検査の陰性証明またはコロナから回復した証拠(診断書など)を雇用主に提出する必要がある。ワクチン接種を終えた人はグリーンパスポートまたは接種証明書を提示。

食料品の買い出し、職場と学校への移動、ワクチン接種、PCR検査の受診、医療機関の受診に伴う外出は許可される。犬の散歩は自宅から500m以内の範囲で済ませる必要がある。

リチャード・スリック経済相は別の記者会見で、「一部の議員に国内の学校をすべて閉鎖するよう提案を受けたが、全国封鎖中も対面授業を維持する」と述べた。ただし、学生は定期的なPCR検査と校内でのマスク着用を求められる。

保健当局によると、直近1週間の陽性者は10万人あたり1,300件を超え、世界最悪レベルに達したという。24日の新規は13,266件、死亡者は71人。スロバキアの人口は兵庫県とほぼ同じ550万人。

一方、政府は医療専門家の緊急応援要請を受け、危機的な状況にある医療機関に兵士と軍医を派遣することを決めた。派遣される兵士は1日最大1,000人と伝えられている。

ズザナ・チャプトヴァー大統領は今週、隣国のオーストリアで発生したコロナ対策に反対するデモに懸念を表明したうえで、「完全封鎖は避けられない」と政府の対応を擁護した。

チャプトヴァー大統領は23日の演説で、「私たちはデルタ株に圧倒されている」と述べ、国民にワクチンを接種するよう強く呼びかけた。

政府にコロナ対策を助言する諮問委員会のヤン・ミカス博士も全国封鎖を擁護し、「唯一の解決策は国民の移動を制限すること」と述べていた。

政府は22日にワクチン未接種者限定の新たな制限を発効した。これにより、未接種者は食料品店や薬局などの必要不可欠な店舗以外への立ち入りを禁じられた。また、イベントや集会への参加も認められず、職場に出勤する場合は週2回のPCR検査(有料)が義務化された。

保健省によると、全国のコロナ入院患者は25日時点で「レッドライン」に設定した3,000人を一気に上回り、3,200人を超えたという。ミカス博士は、「新規陽性者を減らすことが最も重要であり、勢いを抑えることに失敗すれば、EUの同盟国に助けを求めることになる」と警告した。

ウラジミール・レンバルスキー保健相によると、26日までに全国のコロナ用病床を150床増やす予定だという。また保健当局によると、入院患者の約83%がワクチン未接種者。

スロバキアのワクチン完全接種率はEU平均よりはるかに低く、25日時点で約46%にとどまっている。累計感染者数は約63万件、累計死亡者は14,000人を超えた。

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