◎上海のロックダウンは5週目に入った。
2022年4月6日/中国、上海市の市街地(Getty-Images/AFP通信)

中国政府は22日、上海市のコロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないとして、封鎖対策を強化すると発表した。

国営メディアによると、新たな対策には感染者の外出を防ぐためのドアアラームの設置や、自宅を消毒するなどの措置が含まれるという。

感染者宅の消毒作業はすでに始まっており、今週初めに数百人が自宅から強制退去させられた。

上海のロックダウンは5週目に入った。

本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。当局は先月、規則を一部緩和し、医療機関に入院する患者は原則重症患者のみとなった。

感染者が急増している一部の地域では消毒対策が強化される予定である。このため、隔離施設で陰性診断を受け退院した対象地域の住民は、一時的な転居を余儀なくされる可能性がある。

市内の北蔡鎮と平王の住民は今週、当局が用意した宿泊施設に移動するよう命じられた。

北蔡鎮の住民は中国版ツイッターWeiboで当局の通知を共有している。それによると、対象地域の住民は荷物をまとめ、タンスの扉を開けたままにしておくように言われたという。

また、自宅玄関も開けっ放しで、ペットも残しておくよう通知された。Weiboにはスーツケースを持った住民と思われる人々が列をなして移動する動画が投稿され、国民の不安をあおった。

共産党指導部はボロボロになった「ゼロコロナ政策」を維持すると決意しており、その影響は上海から世界に拡大すると懸念されている。

国営メディアによると、北蔡鎮と平王の住宅はすべて消毒されるという。このため、陰性の住民も強制退去を余儀なくされた。

党の機関紙「人民日報」は先週、一面トップで「継続は力なり」と報じている。

市内の封鎖区域に閉じ込められた住民は食料の確保に苦労しており、当局の野菜、卵、米の配達を待っている。あるWeiboユーザーは、「こんなにお腹が空いたのは初めて」と投稿している。

ロックダウンの延長は宅配サービス、食料品店のウェブサイト、さらには政府の物資配達係を激しく圧迫している。住民はインターネットで食料を注文するが、宅配業者は商品を顧客ではなく政府に届け、当局は数十万の商品を仕分け、住民に届けている。

中国のゼロコロナ政策はオミクロン株を除く変異株には効果を発揮したが、感染力の強いオミクロン株は当局の防御を打ち破り、拡大した。

上海の新規陽性は40万件を超え、21日時点で36人の死亡が報告されている。当局によると、死者のほぼ全員が基礎疾患のあるワクチン未接種の高齢者だった。新規陽性の9割以上は無症状患者である。

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