◎ファイザー社は先日、食品医薬品局(FDA)にブースターショットの緊急許可を求める方針(8月提出予定)であることを明らかにした。
2021年5月11日/ワシントンD.C.議会議事堂、国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(ジム・ロー・スカルゾ/AP通信/Pool)

米主要メディアによると、ファイザー社は7月12日に保健当局と会談し、ファイザーワクチンの3回目の接種について協議する予定だという。

ファイザー社は先日、食品医薬品局(FDA)にブースターショットの緊急許可を求める方針(8月提出予定)であることを明らかにした。

ファイザー社のミカエル・ドルステン博士は先日、「ブースター研究の初期データは、3回目の接種が非常に効果的であることを示している」とAP通信に語った。データによると、2回目から12カ月以内に3回目を接種した被接種者の抗体レベルは5倍から10倍に跳ね上がったという。

一方、主要メディアの取材に応じた国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士はブースターショットの可能性を否定しなかったが、「3回目を推奨するのは時期尚早」と指摘した。

また、ファイザー、モデルナ、単発型のJ&Jワクチンのブースター研究は初期段階であり、今手元にある臨床試験データは3回目の必要性を完全に裏付けてはいないと述べた。「今、私たちの手元にあるデータと情報を考慮すると、3回目はまだ必要ありません。ただし、研究は必要であり、ブースターショットを否定しているわけではありません」

「医療当局とファイザー社はあらゆる可能性を想定しています。ブースターやデルタ株対応のワクチンもそのひとつです...」

FDAと疾病予防管理センター(CDC)は先日の共同声明で、「ブースターショットは科学が必要と判断した場合にのみ許可する」と述べ、接種を終えた人はデルタ株を含む変異種から保護されていると強調していた。

ファウチ博士は今後数ヶ月で研究はさらに進み、「政府は年齢や基礎疾患の有無などの様々な要因と研究データに基づき、ブースターを促す可能性が非常に高い」と述べた。「初期の研究が素晴らしい結果を示したことは確かです。恐らくいつか、私たちは3回目を後押しすることになるでしょう...」

アメリカで少なくとも1回ワクチンを接種した人は人口の約55%、接種を終えた人は約48%まで上昇した。しかし、特定の地域の接種は思うように進んでおらず、デルタ株が急拡大している。

CDCのロシェル・ワレンスキー所長は先日、「高度に保護された地域とそうでない地域の二極化が進んでおり、デルタ株の急拡大を引き起こしている」と懸念を表明した。

連邦政府は全国規模のワクチン接種キャンペーンを推進しており、主に共和党の支配地域での活動を強化しているが、思うような成果は出ていない。アメリカのワクチン供給量は4月中頃から需要を完全に上回っている。

ドナルド・トランプ前大統領の弾劾に賛成した数少ない共和党員のひとりであるアダム・キンジンガー下院議員は、一部の同僚のワクチン否定発言を「絶対的な狂気」と呼び、反対を表明した。

キンジンガー下院議員は同僚のケビン・マッカーシー下院少数党首などに対し、「ワクチンで遊んでいる道化師たちは、民主党の評価が上がることを恐れている」と非難した。「道化師政治家は自分の利益しか考えていません。彼らはワクチン接種が進み、感染者が減少すれば民主党の評価が上がると恐れています...」

2021年1月4日/ベルギー、リエージュの病院、解凍中のファイザーワクチン(AP通信/Francisco Seco)
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