◎政府は先週、市内で感染が広がりつつあることを受け非常事態を宣言。学校を閉鎖し、様々な公衆衛生対策を導入した。
太平洋の島国、マーシャル諸島政府は14日、全国のコロナウイルス検査の陽性率が75％に達したと報告した。
保健省によると、首都マジュロの新規陽性者はこの数日で倍増し、市民の10人に1人が感染した。
マーシャル諸島の人口約5万9000人。2020年10月に2人の感染を確認するまで、世界で数少ないコロナ感染を報告していない国のひとつだった。
この2人以降、陽性者ゼロが1年10カ月近く続いたものの、1週間前にマジュロで陽性者が確認された。
政府は先週、市内で感染が広がりつつあることを受け非常事態を宣言。学校を閉鎖し、様々な公衆衛生対策を導入した。
ニーデンタール（Jack Niedenthal）保健相は15日、自身のフェイスブックに投稿した声明で、「戦略を予防から緩和に移行する時がきた」と述べた。
またニーデンタール氏は、「入国後に検疫を受ける時代は終わった」とし、これまでの国境封鎖政策をWithコロナ仕様に変更すると示唆した。
ラジオ・ニュージランド（RNZ）によると、政府は外出禁止令などの厳しい措置は課していないが、市民の多くが自宅にとどまり、日曜礼拝は中止され、市内の商店街は閑散としているという。
保健省によると、全国の累計感染者数は14日時点で約3000人、死者は2人。
ニーデンタール氏は声明の中で、「入院は全国で9件しか報告されていない」と述べた。また、国民の70％がワクチン接種を終えていることに触れ、「混乱は収まりつつある」とした。
ニーデンタール氏は先週初めに自分も陽性診断を受けたと明らかにし、症状の重い人は最寄りの医療機関で診察を受け、無症状や軽症の人は自宅にとどまるよう促した。
またニーデンタール氏は、米国を含む同盟国から追加支援があり、今後1週間以内に新たな医療部隊が派遣されると説明した。
