◎香港の一部の市民は入国から2日後に市内で活動しているキッドマン氏の姿を確認し、「海外の裕福な女優は特権を与えられた」と非難していた。
2020年1月15日/カリフォルニア州パサデナ、ハリウッド女優のニコールキッドマン氏(Willy Sanjuan/Invision/AP通信)

8月19日、香港政府は先日オーストラリアから入国したハリウッドの人気女優ニコール・キッドマン氏の検疫を免除したと発表した。

香港の一部の市民は入国から2日後に市内で活動しているキッドマン氏の姿を確認し、「海外の裕福な女優は特権を与えられた」と非難していた。

政府当局者はキッドマン氏には直接言及せず、「今回の案件は指定された専門的な仕事に該当するため、検疫免除を認めた」と述べた。「政府は規制当局のルールに基づき、香港経済に役立つと判断した人々の検疫を免除できます...」

また当局者は、「免除を認められた個人や団体は感染リスクと公衆との接触を最小限に抑えるために、規制当局が定めたコロナウイルス予防措置を遵守しなければならない」と強調した。

キッドマン氏はエクスパット(原題)というAmazonプライムビデオのドラマシリーズを撮影中と伝えられている。

香港は世界的なコロナウイルスの感染拡大に伴い、リスクの高い国から入国する人に厳しい検疫を課している。高リスク国に指定された国で生活する市民はワクチン接種を終えた場合のみ入国を許可され、さらに入国後21日間の強制検疫をクリアしなければならない。

オーストラリアは現在、中リスク国に指定されており、ワクチン接種を終えた市民は入国後7日間、未接種の市民は入国後14日間の強制検疫を課される。

ツイッターと中国版ツイッターのWeiboにはキッドマン氏の検疫回避に対する批判的なコメントが相次いで寄せられ、政府の検疫免除発表はさらに多くの怒りを引き起こした。

あるツイッターユーザーは、「ハリウッドの上級女優は香港共産党に特権を与えられました」と投稿した。別のユーザーは、「キッドマンに特権を与えたのは誰ですか?」と尋ねた。

ソーシャルメディアには厳しい検疫の影響で何カ月も家族に会うことができなかったという投稿が多数寄せられた。

AFP通信によると、怒りはソーシャルメディアから香港議会に飛び火し、親共産党のエリザベス・クアット議員は保健当局に説明を求めたという。

キッドマン氏の母国オーストラリアでも特権入国を許可されたハリウッドスターに対する非難が相次いでいた。オーストラリアの国境閉鎖は世界で最も厳しい措置のひとつであり、少なくとも数万人のオーストラリア市民が海外で帰国を待っている。

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