◎第二の都市テッサロニキの市内中心部近くで発生した小競り合いは暴動に発展した。地元メディアによると、一部の暴徒たちが焼夷弾を投げ始めたため、警察は催涙ガスで応戦したという。
2021年3月11日/ギリシャ、北部の都市テッサロニキ、コロナの規則にウンザリした抗議者と警察が衝突(AP通信/GiannisPapanikos)

3月11日、ギリシャ第二の都市テッサロニキでコロナの厳格な規則に抗議する集会が開催され、一部の暴徒化した抗議者と警察が激しく衝突した。

市内中心部近くで発生した小競り合いは暴動に発展した。地元メディアによると、一部の暴徒たちが焼夷弾を投げ始めたため、警察は催涙ガスで応戦したという。警察当局は暴徒を数名逮捕したと発表した。

ギリシャの感染状況は1月末頃から急速に悪化しており、政府は夜間外出禁止令やその他の厳格な規則を発効した。

キリアコス・ミツォタキス首相は12日の演説の中で、「野党は疲弊した市民の怒りを煽り、暴力を引き起こしている」と非難した。

野党勢力は数週間前、市内の主要大学ビルで発生した占領事件を扇動したとして非難されている。学生や他の抗議者が引き起こした一連の占領事件は約3週間ほど続いた。

テッサロニキやその他の都市では、規則に反対する数百人の抗議者と警察が連日衝突している。ミツォタキス首相は野党の無責任な行動を非難し、抗議者に暴力をやめるよう訴えた。

「(封鎖)措置にウンザリしたという理由で可燃性物質を悪用する抗議者がいます。公衆衛生対策を軽視してはいけません。私たちは深刻な第二波の真っただ中にいます」

「私たちは規則に同意しています。しかし、市民の団結と公衆衛生対策を燃やそうとしている人がいます」

ソーシャルメディアで共有された動画によると、暴動に参加したと思われる男性が警察官に警棒で叩きのめされたという。この動画は物議を醸し、警察は一時取り締まりを停止した。なお、警察当局によると、事件に対応していた警察官1名が重傷を負ったという。

政府は連日開催されている数百人規模の集会が感染急拡大の要因のひとつになっていると懸念を表明した。

現在のギリシャの感染率はアメリカとイギリスを上回っている。過去7日間の10万人あたりの症例数は20.2人だった。

一方、野党党首のアレクシス・ツィプラス元首相は、政府主導の強硬な取り締まりが裏目に出たと主張している。

「あなた(ミツォタキス首相)は対策を誤りました。さらに、あなたは根拠を提示することなく厳しい規則を導入し、市民の権利と自由を抑圧し、公益を損ないました」

ヴァシリス・キキリアス保険相は今週初めの声明で双方に冷静な対応を求め、不満に関係なく規則を順守し、より多くのワクチンを接種しなければならないと述べた。

ジョンズ・ホプキンズ大学によると、ギリシャの累計感染者数は3月12日時点で21.5万件、累計死亡者は6,937人。3月11日の新規陽性者数は2,570件、死亡者は51人だった。

2021年3月11日/ギリシャ、北部の都市テッサロニキ、抗議者と警察官(AP通信/GiannisPapanikos)
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