◎新たなワクチンパスポートシステムは1月15日に発効する予定。
2022年1月8日/フランス、パリで開催された政府のコロナ政策に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信)

1月8日、フランスの主要都市で政府のコロナ政策に反対する抗議デモが行われ、デモを主催した団体は10万人以上が参加したと発表した。

エマニュエル・マクロン大統領はワクチン未接種者の生活を大きく制限する法案を議会に提出し、採決を待っている。AFP通信などによると、新たなワクチンパスポートシステムは1月15日に発効する見込みだという。

議会下院は6日に法案を賛成多数で可決した。極右はパスポートに強く反対している。

フランスのワクチン接種率はEU主要国の中で最も高く、成人の90%以上が2回目接種を終えている。マクロン大統領はこれまで陰性証明書の提示で公共施設や飲食店の利用を認めてきたが、オミクロン株の拡大を受け、陰性チェックルールを廃止したいと考えている。

法案が可決されれば、ワクチン未接種者はカフェやレストランを含む公共施設への立ち入りを完全に禁止されることになる。

パリのデモ隊は「ワクチン接種禁止パスポート」と書かれた看板や旗を掲げ、「自由!」「マクロンは去れ!」などと叫びながら行進した。ある抗議グループはAFP通信に、「政府は自由を踏みにじり、差別を助長している」と吠えた。

内務省によると、抗議デモは複数の地域で小規模な暴動に発展し、民間人少なくとも34人が拘束され、警察官10人が負傷したという。

パリの抗議に参加した女性はロイター通信に、「エマニュエル・マクロンの発言を許すことはできない」と憤慨した。マクロン大統領は4日に発売されたル・パリジャン紙のインタビューの中で、ワクチン未接種者を悩ませたいと述べ、物議を醸していた。「ワクチン接種を強制するつもりはありませんが、未接種者の行動を可能な限り制限し、彼らを困惑させたいのです...」

別の抗議者はロイターにマクロン大統領の発言を「最後の藁(我慢の限界のたとえ)」と呼び、非難した。「私はマクロンを困惑させるつもりです...」

国営メディアは、いくつかの地域で発生した抗議者と警察の乱闘を報じた。モンペリエの警察は催涙ガスを使用し、暴徒を追い払った。

8日の抗議デモに参加した市民は先月18日のデモの約4倍に増加したと伝えられている。

しかし、法案に反対する声はあまり広まっておらず、フランス24が最近行った世論調査によると、回答者の大半がワクチンパスポートを支持したという。

保健当局によると、フランスの7日の新規陽性は2度目の30万件以上を記録した。入院患者と死亡者も新規ほどの勢いはないがゆっくり増加しており、医療機関は圧力に直面している。一部の医療機関はICUの患者の9割がワクチン未接種者と報告した。

2021年12月9日/フランス、パリの政府庁舎、エマニュエル・マクロン大統領(Ludovic Marin/Pool/AP通信)
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