◎食品医薬品局(FDA)は免疫不全のアメリカ人にコロナワクチンブースターショット(3回目接種)の取得をまもなく推奨する予定。
2021年8月5日/テキサス州オースティンのコロナワクチンドライブスルー接種センター(Getty Images/ブルームバーグ)

米主要メディアによると、食品医薬品局(FDA)は免疫不全のアメリカ人にコロナワクチンブースターショット(3回目接種)の取得をまもなく推奨する予定だという。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、「免疫不全の患者に対するブースターショットの推奨は9月初旬までに承認される」と報じた。

免疫不全患者の多くは、コロナワクチンに対する免疫反応(血液中の抗体産生)が低く、接種を終えてもコロナウイルスに対して脆弱なままである。特に臓器移植の経験者、ガン患者、免疫反応を抑制する薬を服用している人は注意が必要。

疾病予防管理センター(CDC)の諮問委員会は先月、免疫不全患者のコロナウイルスに対する免疫力を高めると期待されているブースターショットの承認に向けた取り組みを加速させるようFDAに求めた。

ただし、その他の国民に対するブースターショットはCDCとFDAの優先事項ではないと伝えられている。当局は以前、ワクチン接種を終えた被接種者の抗体が低下していることを示す十分な証拠がないため、12歳以上の全国民へのブースターショットが推奨される時期は現時点では未定と述べた。

国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はABCニュースのインタビューの中で、「ブースターショットは近いうちに実装(FDA承認)されるだろう」と語った。「私たちは3回目の接種に向けた取り組みを進めています。ブースターショットは近いうちに実装される見込みです。デルタ株の感染拡大を見れば一目瞭然であり、ブースターの優先度は非常に高い...」

ファウチ博士は、免疫不全の人々に対するブースターショットは当局の最優先事項であり、FDAは(ブースターショットの)承認を目指していると述べた。

またファウチ博士は、ブースターショットの対象が全国民に拡大されることを望んでいると明らかにした。「私たちはいずれ3回目の接種を行うことになるでしょう...」

FDAのコロナワクチン責任者を務めるピーター・マークス博士は3日の声明で、「9月の初めごろまでにブースターショットに関する新しいガイドラインを出す予定」と述べた。また、

19年前に腎臓移植を受け免疫不全になったフィル・カヌート氏は、ブースターショットの承認に向けた取り組みを強く支持した。

カヌート氏はAP通信の取材に対し、ファイザーワクチンを2回接種しても抗体ができず、デルタ株の感染拡大とワクチンを接種した人も感染するという情報に恐怖を感じたと語った。

CDCは先日、デルタ株の感染拡大とワクチン被接種者もウイルスに感染し、周囲に拡散すると明らかにし、ワクチン接種の有無にかかわらずマスクを着用するようガイドラインを見直した。

カヌート氏は、「ブースターショットの承認が間近に迫っていると聞き、とても興奮しました」と述べた。

イスラエルは先月末、世界で初めてファイザーワクチンのブースターショットを公式に承認した。

2021年8月5日/フロリダ州マイアミのコロナワクチン接種センター(Getty Images/AFP通信)
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