◎11月19日の新規陽性者数は16日に記録した過去最多を更新する22,936件に跳ね上がり、直近1週間の陽性者は10万人あたり929件に達した。
2021年11月17日/チェコ、首都プラハ、政府のコロナ対策に抗議するデモ(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

11月20日、チェコの保健省はコロナウイルスの感染再拡大を受け、国民にワクチンの速やかな接種と制限の遵守を強く呼びかけた。

保健省によると、19日の新規陽性者数は16日に記録した過去最多を更新する22,936件に跳ね上がり、直近1週間の陽性者は10万人あたり929件に達したという。死亡者は今春のピーク時の3分の1以下だが、ゆっくりと上昇し続けている。チェコの人口は約1,070万人。

政府は今週、コロナワクチンの接種率を高めるために、ワクチン未接種者を対象とする新たな制限を承認した。チェコのワクチン接種率はEU平均より低く、完全接種率は19日時点で人口の約58%、少なくとも1回接種した人は60%にとどまっている。

ワクチン未接種者は22日から飲食店、美容院、美術館、ホテルなどの施設を利用できなくなる。制限をクリアするためには、ワクチンを接種するか、コロナから回復したことを証明しなければならない。PCR検査で陰性を証明してもこれらの施設は利用できない。

チェコの累計感染者数はまもなく200万人を超える。累計死亡者は19日時点で31,879人。

欧州の感染再拡大は一向に収まる気配を見せず、医療崩壊の危機に瀕しているオーストリア、ドイツ、オランダなどは一斉に制限を強化した。

ロシアの20日の死亡者数は過去最多を2日連続で更新する1,254人、新規は37,120件だった。陽性者は数日前に比べるとわずかに減少したが、それでも35,000件前後を維持している。

ロシア政府は国民にスプートニクVの接種を広く呼び掛けているが、完全接種率は約36%にとどまっている。

一方、オランダの主要都市ハーグでは前日のロッテルダム暴動以上の騒乱が発生し、取り締まりにあたっていた警察官5人が負傷した。現地メディアによると、少なくとも7人が逮捕されたという。オランダは先週、3週間の部分封鎖に移行した。

オランダの19日の新規は21,026件、直近1週間の陽性者は1日あたり約18,700件。ただし、死亡者は50人以下を維持している。人口あたりのワクチン完全接種率は約73%で、EU平均より高い。

世界保健機関(WHO)欧州地域ディレクターのハンス・クルーゲ博士は20日、「欧州全体の感染予防対策を強化する必要があり、対応を誤れば、来春までに欧州だけでさらに50万人が死亡する可能性がある」と警告した。

クルーゲ博士は英BBCニュースのインタビューの中で、「欧州は再びコロナの震源地になった」と述べ、「ワクチン接種、マスクの着用徹底、ワクチンパスポートを使って感染を抑え込む必要がある」と強調した。

チェコは昨年、コロナウイルスに別れを告げるパーティを開催した

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