◎世界の主要な科学者たちはオミクロン株の感染拡大を受け、基本的な感染予防対策を徹底するよう強く呼びかけている。
2022年1月12日/スペイン、首都マドリード(Getty Images/AFP通信)

欧州でコロナ変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大に伴うマスク着用規則の強化が進められている。

イタリア政府は昨年末、公共交通機関利用時のFFP2マスク着用を義務付けた。地元メディアによると、FFP2マスクは屋内または屋外のイベント会場、映画館、スポーツ施設などを利用する際にも必要だという。

イタリアの公共交通機関を利用する際には、ワクチンパスポートまたは最近コロナから回復した証明書を提示する必要がある。

イタリアは昨年、屋外でのマスク着用義務(布・サージカル可)を再導入し、夏に新規陽性が急減した時も屋内ルールはそのまま維持した。

ローマの売店でAP通信の取材に応じた男性は、「FFP2マスクで命を守れるなら、喜んで着用する」と語った。「マスクの費用は入院費に比べればたかが知れてます...」

男性はマスク規則を無視する人々について、「彼らは義務化を権利の侵害と見なしている」と述べ、擁護した。「彼らには選択する権利があります...」

スペインもクリスマスイブに屋外マスク規則を再導入した。保健当局によると、直近1週間の新規陽性は1月14日時点で10万人あたり2,700人を超えたという。

ペドロ・サンチェス首相は14日の記者会見で、「屋外マスク規則は機能しているか?」と質問を受け、「もちろん」と答えた。

ギリシャも公共交通機関や屋内の公共施設を利用する際のFFP2マスクまたは「二重サージカルマスク」着用を義務付けており、年末には屋外マスク規則を復活させた。

オランダ政府は今週、レストランや劇場などの屋内施設やスポーツ会場でのマスク着用を市民に推奨した。

フランスの一部の都市も12月に屋外マスク規則を再導入した。対象は6歳以上。

オーストリアのカール・ネーハマー首相は先週、2m以上の社会的距離を確保できない場合は、屋内外を問わず、すべての場所でFFP2マスクを着用する必要があると述べ、規則の強化を示唆した。

イタリア政府は過去2週間の陽性件数が200万件を超えたことを受け、コロナと戦いつつ経済活動を維持するためにはマスクが必要不可欠と判断した。地元メディアによると、政府はFFP2マスクの店頭価格を1枚あたり0.75ユーロ(約100円)に値下げするよう命じたという。

FFP2マスクの価格はメーカーによって異なるが、イタリアの相場は1枚5~10ユーロ(650~1,300円)。

バチカン市国も屋内施設でのFFP2マスクを義務化した。なお、ワクチン2回接種またはブースター接種を終えたローマカトリックの司教は濃厚接触者に認定されても職務を維持できる。

11日にローマの楽器店を訪問したフランシスコ教皇はFFP2マスクを着用したまま人々に手を振った。

一方、2020年春のロックダウンパーティに出席し窮地に立たされているボリス・ジョンソン英首相はマスク規則の再導入を否定してきたが、政府の教育大臣は今週、中学生にマスク着用を求めるべきと述べ、新たな規則の導入を示唆した。

英政府は2021年7月の制限緩和に合わせてマスク規則を提案に変更し、ロンドンのマスク着用率は著しく低下した。

イタリアの感染状況を調査しているシンクタンクは地元メディアのインタビューの中で、「イギリスの感染状況に気を配っている」と語った。「イギリスはワクチン展開で大成功を収め、それだけでは不十分であることも証明しました。ワクチン接種率が高くても、マスクを外し好きなように行動する人が増えれば感染拡大を引き起こします。私たちは主要国の失敗から多くを学べると確信しています...」

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