◎デンマークは今週初めにマスク着用義務を含む国内のコロナ制限をすべて解除し、ノルウェーとスウェーデンもこれに続く予定。
2022年2月3日/スウェーデン、首都ストックホルムの会議場、マグダレナ・アンデション首相(Marko Säävälä/AP通信)

2月3日、世界保健機関(WHO)の欧州地域事務局は、「欧州はまもなくコロナウイルスとの戦いを終え、停戦状態に入る可能性がある」と述べた。

ハンス・クルーゲ事務局長は3日の会見でコロナとの共生が近づいている理由について、高いワクチン接種率、冬の終わり、オミクロン株の重症化リスクが低いことを理由に挙げた。

クルーゲ事務局長は記者団に対し、「冬の終わり、ワクチン展開の加速、そしてオミクロン株の重症化リスクを考えると、我々はまもなく永続的な平和をもたらす停戦状態に入ると見なすことができる」と述べた。

デンマークは今週初めにマスク着用義務を含む国内のコロナ制限をすべて解除し、ノルウェーとスウェーデンもこれに続く予定。

デンマークの直近1週間の平均陽性は約45,000件と非常に高いものの、保健当局によると、コロナワクチンの展開が進んだおかげで病床使用率は比較的安定しており、重症患者もほとんど増加していないという。直近1週間の死亡者は約20人、デンマークの人口は約580万人。

クルーゲ事務局長によると、先週7日間の欧州の新規陽性は過去最多を大きく更新する約1,200万件に達したが、重症患者の急増は見られず、病床使用率も昨年冬のピークに比べるとはるかに低いとのこと。

ノルウェー政府は制限緩和に向けた取り組みを進めると発表し、スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相も2月3日の記者会見で、2月9日までに国内の制限の大半を解除すると明らかにした。

アンデション首相は記者団に対し、「パンデミックは終わっていないが、新しい局面を迎えたと言える」と述べた。

これらの国々はコロナに対する警戒をある程度維持し、症状のある患者は自宅待機するなどの方針も維持している。また、ワクチン未接種者に対しては人込みを避けるよう強く促し、出入国の制限も現時点では維持している。

クルージ事務局長はまもなく停戦状態に入ると希望を表明したうえで、欧州諸国にワクチン接種と変異株の監視を続けるよう促した。

また事務局長はオミクロン株より凶悪な変異株が出現したとしても、欧州はより良い状況を維持できると確信していると述べた。「私はこれまでに導入された手段(ロックダウンやマスク義務など)を使うことなく、新しい変異株にも対応できると信じています」

クルーゲ事務局長は、「個人の責任」「リスクの高いグループの保護」「国境を越えたワクチン展開と加速」を欧州諸国に求めた。

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