◎現地メディアによると、NZLは2022年初頭から検疫免除の往来再開に向けた新体制に移行する予定だという。
2020年10月17日/ニュージーランド、オークランド、ジャシンダ・アーダーン首相(Getty Images/AFP通信)

8月12日、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相はテレビ演説で、少なくとも年内いっぱいは国境閉鎖を維持すると発表した。

人口約500万人のNZLはコロナウイルスを打ち負かしたことで世界から称賛されており、厳格な国境管理と特定の地域に対象を絞ったロックダウンは見事に感染者を抑え込んだ。8月11日時点の累計感染者数は2,904件、累計死亡者は26人。

アーダーン首相は演説の中で、「最優先事項はワクチン接種」と強調した。「2021年末までに希望する全ての人にワクチンを提供したいと考えています...」

また、「NZLはまだ往来を再開する段階にはない」と述べ、「次のステップへの移行は慎重に行わなければならない」と国民に呼びかけた。

現地メディアによると、NZLは2022年初頭から検疫免除の往来再開に向けた新体制に移行する予定だという。低リスク国に指定された国の入国者でワクチン接種を終えている人は検疫を免除されるが、高リスク国の入国者は14日間の検疫を命じられる。ワクチン未接種者は全て検疫対象。

一方、政府にコロナ対策を助言する専門家グループは11日、「小規模な感染または感染者の集団が確認された場合、その地域に対象を絞ったロックダウンを来年以降も継続しなければならない」と指摘した。

疫学者のデビッド・スケッグ博士が議長を務める諮問委員会は11日に公表した報告書の中で、より多くの人々が入国を開始した後でも、「問題が発生すれば現在のコロナ排除戦略を維持することが必要だと信じている」と述べた。

また委員会は、イギリスやアメリカなどの一部の国はコロナウイルスと共存する道を選んだが、「その道を選択した国は季節的な急増に耐える必要がある」と指摘した。「NZLは往来再開後も現在の体制を維持し、必要に応じてロックダウンや国境再閉鎖も検討すべきでしょう」

そして、「現在の感染状況と体制を維持するために、できるだけ多くの国民がワクチン接種を終えるまでは国境を少なくともあと6カ月は閉鎖しなければならない」と助言した。

NZLのワクチン接種率は他の先進国に比べると遅れている。少なくとも1回接種した人は11日時点で人口の約28%、接種を終えた人は約15%。使用しているワクチンはファイザー社製のみ。

2021年4月19日/ニュージーランド、ウェリントン国際空港の近く(Getty Images/AFP通信)
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