◎イングランドのオミクロン株の陽性者数は8日時点で568件まで増加した。
2021年12月8日/イギリス、ロンドンの首相官邸、記者会見の様子(Adrian Dennis/Pool/AP通信)

12月8日、イギリスのボリス・ジョンソン首相は新たなコロナ変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大を抑える新しい規則を発表した。

ジョンソン首相は会見の中で、「オミクロン株は急速に拡大している」と懸念を表明し、新たな規則を「プランB」と呼んだ。「封鎖ではありません。プランBです...」

会見に同席した医療専門家によると、プランBは10日から準備施行される予定だという。

・12月10日~:公共の場(屋内外問わず)でのマスク着用義務化。

・12月13日~:イングランドの企業にテレワークを強く推奨する。

・12月15日~:ナイトクラブ、500人以上を収容できる屋内施設、4,000人以上を収容できる屋外施設、10,000人以上を収容できるスタジアムに入場する際のグリーンパス提示を義務化する。

グリーンパスは国民保健サービス(NHS)のウェブサイトからダウンロードする。主要メディアによると、ウェブサイトにアクセスが集中し、つながりにくい状態が続いているという。

ジョンソン首相はプランBの遵守を国民に呼びかけたうえで、「クリスマスパーティと家族そろっての食事会は予定通り行うべき」と主張した。「私たちが今すべきことは、クリスマスをあるべき姿に戻すことです。イライラするかもしれませんが、新しい規則は封鎖ではありません。プランBです...」

保健当局によると、イングランドのオミクロン株の陽性者数は8日時点で568件まで増加したという。ジョンソン首相は会見の中で、「実際の感染者数ははるかに多い」と述べ、国民に理解を求めた。

またジョンソン首相は、来年1月末までにイングランドの全ての成人にブースターショットを提供するという新しい目標を設定したと明らかにした。

NHSによると、イングランドを含むイギリス全体の8日の新規陽性者数は51,342件、死亡者は161人、直近1週間の陽性者数は1日あたり約48,000件。

ウェールズ、スコットランド、北アイルランドはすでに独自のコロナ規則を発効しており、その多くがプランBより厳しい。

ウェールズとスコットランド政府はテレワークを強く推奨し、北アイルランド政府は先日、テレワーク要件を強化した。また3カ国はすでにグリーンパスを導入している。

スコットランドのニコラ・スタージョン首相は8日の声明で規則に従うよう国民に促し、オミクロン株を抑えるためには感染予防対策の徹底が必要不可欠と強調した。「政治家に腹を立てている人は、規則があなたの愛する人を守るために欠かせないということを理解してください...」

イングランドの主席医療顧問であるパトリック・ヴァランス博士もプランBを守るよう国民に強く呼びかけた。「ひとり残らずプランBを守ってください。半分では意味がありません...」

サジド・ジャビド保健相はジョンソン首相の会見後、「来週、庶民院でプランBについて議論し、採決する」と述べた。

ジャビド保健相によると、一部の保守党議員は厳しい制限に難色を示したという。リアム・フォックス議員は8日、「NHS(医療機関)に圧力がかかる可能性があるという理由だけで制限を強化することは許されない」と述べた。

ジャビド保健相は、オミクロン株用に改良された新しいコロナワクチンが数週間以内に試験段階に入るかもしれないと明らかにした。世界保健機関(WHO)、世界の主要な科学者、そしてワクチンメーカーは初期データに基づき、既存のワクチンはオミクロン株にも機能する可能性が高いと報告している。

野党労働党のキール・スターマー党首は厳しい制限を歓迎した。

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