◎セサミストリートのビッグバードは先週末、「ワクチンを接種した」とツイートし、5歳から11歳の児童にファイザーワクチンを接種するよう促した。
左セサミストリートのビッグバード/右ドナルド・トランプ前大統領を敬愛する共和党のテッド・クルーズ上院議員(Getty Images/AFP通信/セサミワークショップ)

1972年、世界中の人々に愛されているセサミストリートのビッグバードは「はしかワクチン」を接種し、ホワイトハウスのはしか撲滅キャンペーンを応援した。

しかし、ドナルド・トランプ前大統領を敬愛する共和党員と保守的な反ワクチン団体は、子供から絶大な支持を集めているビッグバードを公の場で焼き鳥にした。

1969年にデビューしたにもかかわらず気持ちは6歳というビッグバードは先週末、「ワクチンを接種した」とツイートし、5歳から11歳の児童にファイザーワクチンを接種するよう促した。「ワクチンは私と他の人を健康に保ちます...」

これに保守的な政治家は素早く反応し、2000年に米議会図書館で「生きる伝説賞」を受賞した自称6歳の鳥を焼いた。

共和党のテッド・クルーズ上院議員はビッグバードのツイートを「民主党の宣伝」と呼び、嘲笑した。保守的なフォックスニュースの寄稿者であるリサ・ブース氏はツイートを「子供たちを洗脳するねじれたメッセージ」と呼んだ。

一方、ジョー・バイデン大統領もビッグバードのツイートに反応し、「いいね、ビッグバード」と返信した。

一部の保守的な政治家は、連邦政府の資金提供を受ける公共放送PBSでセサミストリートが放送されていることに長い間不満を持っていた。ビッグバード焼き討ちはワクチン接種の低迷に悩まされているバイデン大統領と共和党の溝の深さを物語っている。

ブランダイス大学のアメリカ研究教授であるトーマス・ドハティ氏はビッグバードを擁護した。「ビッグバードは50年前にも同じことをしました。それはセサミストリートの伝統です。しかし、あれほど望まれていたワクチンは今、論争の的になってしまいました...」

米国のテレビ番組と政治の問題が結びつけられたのは今回が初めてではない。

1970年代に放送された「モード(Maude)」は人種差別問題や中絶の権利に関するエピソードを放送し、1973年のロー対ウェイド判決を称賛した。

※ロー対ウェイド事件(1973年):最高裁判所は妊娠中絶を「合衆国憲法で保障される権利」と認め、堕胎禁止を初めて違憲と認めた。

ジョージ・HW・ブッシュ政権時代の副大統領であるダン・クエール氏は、「TVキャスター マーフィー・ブラウン」の主役であるシングルマザーのマーフィー・ブラウンを嘲笑し、「父親のいない家庭は不幸」と述べ、注目を集めた。

1997年に放送された「エレン」のエレン・デジェネシス氏は、ゴールデンタイム初のゲイ司会者として歴史を築いたが、宗教団体は番組に激しく反発し、一部の政治家は「アダルトコンテンツ」に指定すべきと主張した。

2012年に終了したアニメ「ポストカード・フロム・バスター」ではレズビアンカップルが登場し、物議を醸した。当時、シビル・ユニオンを認めていた州は少なかった。

一方、共和党の支配下に置かれているテネシー州は先週、11歳以下の児童にワクチン接種を推奨した州の保健当局を解散すると脅し、児童向けのワクチンキャンペーンを終了したうえで、州の最高医療当局者を解雇した。その後、州政府は14歳以下のワクチン接種に保護者の同意を求める法案を可決した。

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