◎のアンソニー・ファウチ博士は27日、国内便を利用する際のコロナワクチン接種証明の提示を義務化する必要があると述べた。
2021年12月27日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(Carolyn Kaster/AP通信)

12月27日、ホワイトハウスの首席医療顧問である国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は、国内便を利用する際のコロナワクチン接種証明の提示を義務化する必要があると述べた。

ファウチ博士は27日に放送されたNBCニュースのインタビューの中で、「国内旅行のルール強化は米国のワクチン接種率を押し上げるだけでなく、連邦政府の規則に基づき2歳以上の搭乗客にマスク着用を義務付けている航空当局を保護する」と強調した。

バイデン政権は国内旅行者にワクチン接種を求めるというアイデアに反対している。AP通信によると、ホワイトハウスの科学顧問はジョー・バイデン大統領にルール強化の検討が必要であることをまだ正式に通知していないという。

一部の専門家も国内旅行のワクチン義務化は多くの訴訟を引き起こし、国の分断を加速させる可能性があると警告している。

米国は外国人入国者にワクチン接種を義務付けているが、市民と永住者は陰性チェックを提示すればワクチンを接種していなくても入国可能。国内旅行に関しては、接種証明も陰性チェックも不要。ただし、ハワイ行きの便に搭乗する場合は接種証明または陰性チェックの提示を求められる。

バイデン大統領は27日、接種義務の拡大を検討しているかどうかという質問には答えなかったが、全国の州知事と問題について話し合ったと明らかにした。

またバイデン大統領は、全米のコロナ検査所で大混雑が発生してことと、コロナ変異ウイルス「オミクロン株」の感染急拡大で航空業界に大きな影響が出ていることを認めたうえで、迅速検査キット5億回分の無料提供に向けた取り組みを加速させると述べた。キットのウェブ受付と郵送は1月から始まる予定。

一方、全米知事協会の会長を務めるアーカンソー州のアサ・ハッチンソン州知事は27日、バイデン大統領の計画は州の検査に影響を与える可能性があると懸念を表明した。「ホワイトハウスが迅速検査キットを大量に確保すると、州当局が独自に契約しているキットの納品に遅れが生じる可能性があります...」

ホワイトハウスによると、迅速検査キット5億回分は既存のサプライチェーンに影響を与えない方法で確保するという。

バイデン政権は発足後まもなく、国内便を利用する際のワクチン接種または陰性チェックの提示が必要かどうかを航空各社などと調整した。しかし、主要メディアによると、当局は多くの法的課題と、仮に接種を義務化すれば混乱を引き起こすと懸念を示し、計画に乗り気ではなかったという。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は先週、NBCニュースのインタビューの中で、国内旅行にワクチン接種を義務付けなかった理由を問われ、「旅客機内でのマスク着用で感染を抑えることができると認識している」と答えた。

しかしサキ報道官は、コロナの感染がさらに拡大すれば、国内旅行のルール強化もあり得ると示唆した。「ホワイトハウスは医療専門家のアドバイスに依存しています。コロナの感染がさらに拡大すれば、私たちは行動するでしょう...」

疾病予防管理センター(CDC)によると、ワクチンを接種できる5歳の以上の完全接種率は26日時点で人口の約62%、少なくとも1回接種した人は約77%。直近1週間の新規陽性は1日あたり20万件を超えた。

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