『kenta475699』です。
貴重な税金を浪費する中国地方の施設&第三セクターを紹介します。あくまで個人の主観で選んでいることをご理解下さい。
目次
・意外と潤っている中国地方?
・道路大好き
〇貴重な税金を浪費する施設&第三セクター
1.サンデン交通(山口県)
2.やぐちタクシー(広島県)
3.山陰近畿自動車道(鳥取県)
4.苫田ダム(岡山県)
5.風の国温泉(島根県)
6.山口県国際総合センター(山口県)
7.新サッカースタジアム(広島県)
8.鳥取市庁舎(鳥取県)
9.井原鉄道(岡山県)
10.ホテル宍道湖(島根県)
11.中山川ダム(山口県)
12.広島高速5号線(広島県)
13.若桜鉄道(鳥取県)
14.笠岡ふれあい空港(岡山県)
15.グラントワ(島根県)
16.山陰自動車道(山口県)
17.燕趙園(鳥取県)
18.宍道湖・中海淡水化干拓事業(島根県)
19.中国地方のテーマパーク
20.下関北九州道路(山口県)
まとめ
意外と潤っている中国地方?
中国地方5県の年度予算(H30~H20年度の平均)と人口は以下の通りである。
山口県:約6700億円(人口140万人)
鳥取県:約3500億円(人口57万人)
島根県:約6000億円(人口70万人)
岡山県:約7000億円(人口190万人)
広島県:約9500億円(人口280万人)
一人当たりの予算額がもっと多いのは島根県(約85万円)、もっとも少ないのは広島県(約34万円)だった。ただし、予算額の大小で地域経済の良し悪しを図ることはできない。島根県は人口の割に年度予算が多いように思える。しかし、たまたま公共工事(高速道路やダムの新設・改良等)が重なっているだけ、という可能性もある。広島県はその逆で、大型工事が少ない(街の開発がほぼ終わっている)だけかもしれない。
中国地方の財政状況はお世辞にも良いとは言えない。各県が多額の借金を抱えており、苦しい自治体経営を余儀なくされている。年度予算も県民への行政サービスや、改修が必要な公共施設、道路などに充てられ、地域経済の発展・改善に投資できるお金は非常に少ない・・・
中国地方の5県は、限られた予算を正しく使えているとは到底言えない状況にある。社会保障、行政サービスなど、県民の生活に直結する部分は押さえているが、公共工事や公共事業への投資額はおかしいと感じる部分が非常に多い。残念ながら、予算を投じる「場所(施設や人)」を間違えていると言わざるを得ない。
道路大好き
中国地方は道路が大好きである。もちろん「性的に」ではなく、建設することが、だ。なかでも「高速道路」にかけられている予算は凄まじい。交通網を改善・整理することは、地方経済に大きな恩恵をもたらす。物資の輸送時間やコストは大幅に改善されるだろう。また、地域住民などが都市間を積極的に移動すれば、人の往来が増えた街は発展する。
道路が新設され、都会と田舎町がつながれば、良いことばかり起きるように思える。役人たちは競い合うように高速道路などの公共工事に投資し、道を綺麗にすれば地域経済が発展する、もしくは潤うと確信している。しかし、日本の現状を見れば、その考えが間違いなのは火を見るよりも明らかだ。
今回は貴重な税金を浪費する中国地方の施設(高速道路・ダム・テーマパーク等)と第三セクターを紹介する。予算が少ないと頭を抱える役人たちは、「県民が本当に必要とする」施設に税金を投入せず、「無駄なハコモノ」ばかり建設したがることを知ってほしい。理由はこれから紹介する「中国地方の問題児20」の中で説明しよう。「車の通らない」高速道路に5000億円以上を投資する余裕があるのなら、住民税を引き下げろと言いたい。
貴重な税金を浪費する施設&第三セクター
サンデン交通(山口県)(目次に戻る
最初に紹介するのは、山口県内の路線バス等を運行している第三セクター『サンデン交通㈱』だ。まもなく設立100周年を迎える歴史のある会社だが、慢性的な赤字に苦しめらめ、県が投入した補助金は5億円を超えた。人員・運行本数の削減等を行ってはいるものの、経営状況はなかなか改善されずにいる。
地方都市のバス利用者は年々減少傾向にある。人口が減少していく今の日本ではどうしようもないと思いそうになるが、私は「街自体の魅力」が無くなっている点も原因のひとつだと考えている。サンデン交通は主に山口県西部でバスを運行している。利用者は①地域住民、②市外から訪れる方、③他県の方、の3区分に分けることができ、①は固定客である。
運行する地域(街)の魅力が無くなると、②③は少なくなり、運賃収入は自ずと減る。会社は赤字になり、運行を本数を減らし①はバスでなく車やその他の交通機関(あればだが)に乗り換えてしまう。サンデン交通のような路線バスの運行会社は全国に溢れており、皆慢性的な赤字に苦しめられている。
第三セクターへの風当たりは強く、「廃止しろ」という意見も多い。過去の不正(天下り、談合等)を考えると、明らかに不要な組織が存在することも事実だ。しかし、公共交通機関を担う会社への支援(補助金)を打ち切れば、「利用客の大切な足」を奪うことになる。サンデン交通の累計補助金投入額は5億円、単年では数千万円ほどだ。県の財政状況を考えれば、小さなコストを削減することも大切に思える。しかし・・・
山口県はサンデン交通を必ず存続させなければならない。数千万円の補助金をカットする前に、まずは6000億円以上をかけて建設中の高速道路計画を見直すべきだ。毎年数十億円の赤字を垂れ流す「利用者のいない公共施設(ハコモノ)」を手放せば、サンデン交通を生かすことなど簡単である。地域住民の大切な足を奪えば、「県は住民よりハコモノが大切」と思われるだろう。
<まとめ>
・利用者の見込めない高速道路計画を見直せば、サンデン交通への数千万円など簡単に工面できる。
・毎年数十億円もの赤字を垂れ流す利用者のいない豪華な体育館、アリーナ、テーマパークを清算(民間への譲渡、除却)すれば、県民が本当に必要とする公共交通機関を維持できる。
形態 | 第三セクター |
税金投入額 | 5億円以上 |
経営状況 | 赤字 |
役立たず度(5段階) | ☆☆☆☆☆ 0 |
外部サイトへのリンク
<サンデン交通㈱ 公式ホームページ>
やぐちタクシー(広島県)(目次に戻る
広島県広島市に本社を置く『(有)やぐちタクシー』は、「民間の」タクシー事業者である。非常に素晴らしい取り組みを15年以上行っており、他の第三セクターや地方自治体も参考になると思い、紹介することにした。
この会社では「やぐちおもいやりタクシー」という取り組み(事業)を行っている。片道300円、当日往復であれば400円、小学生以下は無料という条件で、乗り合い専用の「ジャンボタクシー」を運行しており、地域住民の足として重宝されているのだ。自治体は、「利益を度外視した」おもいやりタクシーに毎年150万円の補助金を補填している。
おもいやりタクシーの最も素晴らしい点は、地域住民のコミュニティを強化できる点にある。助け合いや思いやりの精神を皆で共有しても、街の過疎化は止まらないかもしれない。しかし、「故郷愛」が醸成されれば、若者たちの都市部への流出を防ぐキッカケにはなる。
赤字で運行している路線バスや鉄道は、いつ廃線になってもおかしくない。民間企業であれば、会社の存続に関わる問題だろう。地方自治体は公共交通機関を担う企業(第三セクター含む)を全力で助けてほしい。もちろん、経営努力やコスト削減は徹底させなければならないが、もし倒産することになれば、苦しい思いをするのは自治体とそこに住む住民である。
民間企業への補助金投入は慎重に慎重を期す必要がある。「天下り役人」を儲けさせることなど言語道断であり、税金の無駄遣い以外のなにものでもない。しかし、地域の為に頑張る、もしくは頑張りたい会社であれば、数百万、数千万円の補助金は迷わず投資すべきだろう。
<まとめ>
・やぐちおもいやりタクシーは、助け合い、相互扶助の精神で成り立っている。
・助け合いや思いやりの精神が育み、住民たちの郷土愛を醸成することが大切である
形態 | 民間企業 |
税金投入額 | 150万円(単年) |
経営状況 | 健全 |
役立たず度(5段階) | ☆☆☆☆☆ 0 |
外部サイトへのリンク
<㈲やぐちタクシー 公式ホームページ>
やぐちおもいやりタクシー、運行15周年記念式典。米子高専の加藤教授、河井衆議院議員らを招いてくす玉開花などが行われました。 pic.twitter.com/q6x6VS2hwn
— 安芸矢口企画(ローカル鉄道応援ユニット) (@aki_yaguchi) March 21, 2019
山陰近畿自動車道(鳥取県)(目次に戻る
鳥取県を起点とする『山陰近畿自動車道(石破道路)』の新設工事(未開通部分)には、何と6000億円もの税金が投入されることになっている。10年近くかかる工事なので、単年で考えると500億~600億円。鳥取市から日本海側の過疎地域を延々と走り、「京都縦貫自動車道」に接続される予定だ。
インフラの老朽化は大きな社会問題になっており、その中でも生活に欠かせない道路の改修は最重要課題のひとつだろう。地方に住む人々は、繁華街を通る重要幹線ばかり綺麗になることを不満に思っている。しか、車がほとんど通らない地域に高速道路を建設して欲しいとは考えていない。
山陰近畿自動車道の未開通部分を新設しても、恩恵を受ける住民は少ない。それどころか、「そもそもいらない」という意見が大半を占めるという。車が通らない高速道路新設より、舗装がボロボロになった国道や県道を綺麗にしてほしいのだ。しかし、役人たちは頑なに高速道路にこだわり、県民が必要とする旧道の改修は後回しにされてしまう。
山陰近畿自動車道の未開通部分が繋がれば、輸送時間の短縮や効率化、「災害時のルート確保」という意味では効果があるのかもしれない。しかし、鳥取県の年度予算を考えると、単年500億~600億円の工事費用はとんでもない支出と言わざるを得ない。それだけの予算があれば、改修の進まないボロボロの旧道を綺麗にできるだろう。
高速道路の新設を否定する気はないし、インフラの重要性は理解しているつもりが。しかし、公共事業は順序を誤ると取り返しのつかない事態を招くこともある。ダムばかり造り河川の増強を怠った地域では、大雨の影響で「放水」が開始された途端、下流域の堤防が決壊し街が水没、多数の死者を出した。基礎(旧道)の補強や改修を怠り、上物(高速道路)ばかり造っていると、いつか手痛いしっぺ返しを受けることになるだろう。
<まとめ>
・インフラの整備は大切。しかし、県民が必要としない高速道路ではなく、改修が必要な国道や県道を優先すべし。
・数千億円の税金を投入し高速道路を造っても、地方再生には全く繋がらない。儲かるのは役人と大手ゼネコン幹部だけ、汗水たらして働いた地元の零細建設企業は、「おこぼれ」を貰える程度と考えよう。
形態 | 高速道路 |
税金投入額 | 6000億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 1.2兆~1.8兆円 |
役立たず度(5段階) | ★★★☆☆ 3 |
外部サイトへのリンク
<山陰近畿自動車道 Wikipedia>
@lucifer_to お願いしますー QT @ road_open: 山陰近畿自動車道・野田川大宮道路(京丹後大宮IC~与謝天橋立IC間)が平成28年10月30日15時に開通します。https://t.co/vY1aITRREl pic.twitter.com/VEVqHXxvGx
— 最近 毒舌多い ご隠居 (@goinkyo_hacker) September 30, 2016
苫田ダム(岡山県)(目次に戻る
『苫田(とまた)ダム』は岡山県苫田郡の山中に造られた「ロックフィルダム」である。県内を流れる一級河川「吉井川」を水源とし、2006年の夏に発生した大雨では、下流域の水量調整に大活躍したと言われている。なお、貯水容量は県内で三番目に大きく、「利水効果」についても大きな役割を果たしている。
日本には、国民の安全と安定した生活を縁の下から支える「優良ダム」と、治水・利水効果ゼロの役立たずな「ハコモノダム」が存在する。前者であれば、税金を投入して建設する価値はある。しかし、後者は税金を無駄にし、さらに維持管理費を永続的に支払い続けねばならないただの「負債」でしかない。
苫田ダムの総事業費は2000億円を超える。下流域の洪水を防ぎ、県民に水を供給していることを考えれば、必要な投資と考えることもできるだろう。しかし、岡山県は「余ったダム内の水」に毎年6億円以上の経費をかけ、さらに維持管理費に数億円の税金を投じているという。
苫田ダムは吉井川流域の住民を守り、水の安定供給にも貢献している。総事業費2000億円は途方もない額だが、「県民の命を守る為に費やした」と考えれば、大抵の人は納得してくれるはずだ。しかし、岡山県の対応には理解し難い部分がある。余った水の為に毎年6億円を費やす意味が全く理解できない。
地震等で水道設備が利用不能になれば、岡山県がダムに確保した「6億円分の水」も供給できない。ペットボトル等に詰め役場等で保存している、というなら納得できる。しかし、ただ6億円を「運営費」として支払っているだけであり、残念ながらただの無駄遣いと言わざるを得ない。苫田ダムが「優良」でも、管理する役人たちが「無能」では意味がないのだ。岡山県民は、余った水の購入代として計上される6億円が天下り役人のポケットに納まっていると知れば、怒りを爆発させるだろう。
<まとめ>
・治水・利水効果の高いダムは国民の安全と安定した生活を守る縁の下の力持ち。
・維持管理費がかかるのは当然。しかし、余った水に計上する6億円は論外。吉井川の水量を確認しながら下流に流せば良いだけだ。役人(天下り含む)を儲けさせる必要は全くない。
形態 | ダム |
税金投入額 | 2000億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 4000億~6000億円 |
役立たず度(5段階) | ★★☆☆☆ 2 |
外部サイトへのリンク
<岡山県 公式ホームページ>
風の国温泉(島根県)(目次に戻る
島根県江津市に建設された『風の国温泉』は、第三セクターが運営する県営リゾート施設である。旅館、温泉、キャンプ場、テニスコートなどが設けられており、市の観光業を担う期待のホープとして1992年に開業した。しかし、利用客は一向に伸びず、開業年から赤字経営を余儀なくされる。
風の国温泉は、「バブル時代」に乱造されたホテルやテーマパークのひとつだ。この時代は、「ハコモノを建てれば人が勝手に集まる」と誰もが信じていた。銀行は儲けが出るかも分からない第三セクターに何百億円も出資し、バブルが弾け、役立たずのホテルやテーマパークは不良債権と化し、辺りを見渡せば死屍累々。風の国温泉も毎年赤字だけを生み出す残念なハコモニに認定された。
風の国温泉の総事業費は約30億円である。他県のホテルやテーマパーク等に比べても、初期投資はかなり低く抑えられており、毎年の維持管理費もそこまでかからなかった。(宮崎県シーガイアの総事業費は5000億円)開業年から赤字経営に陥ることは大きな問題だが、「身の丈に合った」ハコモノであったため、江津市が受けた傷は比較的浅かったと言える。
民間企業がホテルやテーマパークを建設する時は、初期投資を限界まで低く抑える。なお、毎年の維持管理費は、総事業費(初期投資)に比例する。銀行から受けた「融資」を返済する為には、黒字を達成せねばならず、維持管理費を低く抑えるほど有利になることは説明するまでもないだろう。
風の国温泉を民間企業に売却した判断は素晴らしいと思う。投入された税金は総額6億円ほどだが、江津市はこれ以上無駄な投資はできないと判断したのだろう。高速道路やダムの新設に比べれば「はした金」かもしれない。しかし、金額の大小に関係なく、血税を無駄にすることは許されないのだ。他の地方自治体も、赤字しか生み出さないハコモノはさっさと売り払う、もしくは解体してほしい。なお、民間企業に売却された風の国温泉は無事営業を再開、黒字を達成すべく現在も努力を続けている。
<まとめ>
・初期投資を低く抑えた施設は黒字を達成しやすい。
・やみくもに豪華なハコモノを作っても、人が集まるとは限らない。身の丈に合った投資を行うことが大切だ。
・赤字しか生み出さないハコモノは売り払う、もしくは解体すべし。まさに百害あって一利なしだ。
形態 | リゾート施設 |
税金投入額 | 30億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 60億~90億円 |
役立たず度(5段階) | ★★☆☆☆ 2 |
外部サイトへのリンク
<風の国温泉 公式ホームページ>
島根県江津市にある温泉リゾート「風の国」に球体テントで宿泊出来るグランピングサイトが有ると聞いたので検索してみた。「朝には朝焼けを お昼には芝生と青空を 夕方には夕暮れを 夜には星空を楽しむ」すごい体験が出来そうだ。冷暖房完備、温泉も側に有りロケーションはバッチリだ。 pic.twitter.com/tYNn6eWt9J
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) December 10, 2019
山口県国際総合センター(山口県)(目次に戻る
山口県下関市に建設された『山口県国際総合センター』は、無駄に豪華な施設が印象的な「会議・展示施設」である。全面ガラス張りの高層ビル「海峡ゆめタワー」がシンボルとして建ち、県民からは「海峡メッセ下関」と呼ばれている。「アリーナ(展示品・見本市限定)」、国際貿易ビル、会議場、テナントスペースなどがあり、県民が利用できる施設は非常に少ない。
県と市合わせて270億円を投入して建てた国際総合センターは、高額な「維持管理費」に苦しめられている。テナント収入はあるものの、それだけで黒字化が図れるわけもなく、頼みの来場者も年々減少。夜景を見に来る県民は多いようだが、大きな収入源にはならず、毎年5億円以上の赤字を下関市が負担している状態だ。
役人たちは、国際総合センターを「下関市の顔」にしたかった。海沿いに立つガラス張りのビルは、確かに目立つ。しかし、この地を訪れる観光客は、国際貿易ビルや会議場を見に来るわけではない。観光収入がないと赤字になるのなら、なぜ県民や観光客を誘致しやすい施設にしなかったのだろうか。
会議場やアリーナが全く必要ないとは思わない。大きな国際会議が開かれる時は、間違いなく役に立つだろう。しかし、「普段使い」できない施設に270億円もの予算をかければ、維持管理費だけで大赤字になることは子供でも分かる。
役人たちは、各国首脳が集まる「G20」や「G7(先進国首脳会談)」を想定して立派なハコモノを建てたのかもしれない。山口県の力を鼓舞したい気持ちは理解できなくもないが、垂れ流される赤字は国民の血税で補填されるのだ。見栄えばかり気にしても、中身が無ければ人は集まらない。なお、昨年のG7会場はカナダのケベック州にあるのどかな田舎町で開催された。トランプ大統領たちが小さなテーブルを囲み話し合う姿は非常に興味深かった。
<まとめ>
・利益を上げることが目的でない施設(会議場、図書館、公園など)は、初期投資を低く抑えること。総事業費と維持管理費は比例する。
・山口県国際総合センターは、利用用途を改めない限り毎年5億円以上の赤字を垂れ流し続ける。
形態 | 会議・展示施設 |
税金投入額 | 270億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 540億~810億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★☆ 4 |
外部サイトへのリンク
<山口県国際総合センター 公式ホームページ>
新サッカースタジアム(広島県)(目次に戻る
広島県には全国区のプロスポーツチームが2つある。「広島カープ」と「サンフレッチェ広島」の名を知らない方は非常に少ないだろう。ここで紹介『新サッカースタジアム』は、建設が予定されているスポーツ施設だ。費用の大半は県が負担する予定だが、法人や個人からの寄付金の集まり次第では、「官民連携」で工事が進められるかもしれない。
私は「県民が必要とする」スポーツ施設であれば、ぜひ補助金を投入すべきだと思う。建設後はプロスポーツチームが施設を運営し、県や市に負担が発生しないのであればなおさらだ。観戦チケットやグッズ等の売り上げはプロスポーツチームのものになるが、県や市には「税金(法人税等)」という新たな収入が発生する。
投資額は慎重に検討する必要があるものの、成功した時に得られる利益は計り知れない。サンフレッチェ広島は「Jリーグ」創設期から名を連ねる歴史のあるチームだ。チケットの売り上げはもちろん、チームが実力をつければスタジアム以外でも関連グッズ等の収益が発生する。さらに街の知名度、サッカーに関連する消費(スタジアム周辺の飲食店、居酒屋など)も向上することが予想される。
新サッカースタジアムの総事業費には200億円ほどかかる予定だという。なお、投入される補助金の額は決まっていないが、サンフレッチェ広島とスポンサーの資金、法人・個人からの寄付金等を考慮すると、50億~100億円の間で収まるのではないかと予想する。税金が投入されることには変わりないため、官と民でしっかり話し合いの場を持ち、結論を出してほしいと思う。
先述の通り、成功したプロスポーツチームが街にもたらす影響は計り知れない。サンフレッチェ広島が向上し続けられるかは分からないが、200億円を投資して毎年数億円の赤字を垂れ流す「役立たずのハコモノ」に比べれば、広島県が受ける恩恵ははるかに大きいだろう。今後は、スタジアム建設予定地での反対運動等も予想される。ぜひ前向きに話が進むことを願いたい。
<まとめ>
・初期投資はかかるが、プロスポーツチームの打ち上げが税金として納付される。
・官と民が連携し、建設地付近に住む住民や団体との協議・交渉を行っていく。
・税金が投入されることを忘れてはならない。誰もが納得できるスタジアムにしてほしい。
形態 | サッカースタジアム |
税金投入額 | 50億~100億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | なし |
役立たず度(5段階) | ★☆☆☆☆ 1 |
外部サイトへのリンク
<サンフレッチェ広島 公式ホームページ>
広島の新スタジアム寄附状況が更新されていました。(令和2年3月31日現在)
— もん (@aigakusu) May 7, 2020
2億739万7,821円 (個人分)
サッカースタジアム建設に係る寄附募集 - 広島市公式ホームページ
https://t.co/4VdJZ2Mham pic.twitter.com/4MqmZGBBaa
鳥取市庁舎(鳥取県)(目次に戻る
『鳥取市庁舎』は、2019年10月に工事が全て完了した。建て替え理由は、旧庁舎の耐震設計に問題があったためだ。しかし、2000年に新庁舎の建設計画を立案するも、費用がかかりすぎるため断念。それから9年後に実施された耐震調査の結果、大きな揺れに耐えられないことが判明した。
鳥取市は旧庁舎の建て替え(移転)計画を策定するも、総事業費100億円に一部の市民が猛反発し、住民投票が行われる事態に発展。投票の結果、建て替えより「旧庁舎の耐震補強案」が多くの指示を集めた。しかし、耐震補強の費用も40億円を超えることが分かり、鳥取市長は建て替えを選択。これに怒った市民団体は市を提訴したが、2016年に原告敗訴が確定している。
旧庁舎の耐用年数は65年であり、2029年には必ず建て替えを行わなければならない。普通の思考であれば、耐震補強に40億円などかけず、綺麗にした方が良いと思うだろう。「延命処置」を施しても、いずれ必ず建て替えなければならない運命なのだから・・・
新庁舎に投入された100億円が妥当かは判断しかねるが、建て替え自体には賛成する。耐震補強に40億円を費やしても、耐用年数を考えれば誰もが妥当と考えるだろう。しかし、住民投票の結果を無視した「市長」、そして、長きに渡って私腹を肥やし続けた役人の罪は非常に重い。
市民から「信頼」される政治を行っていれば、建て替えに反対する市民など一人も出てこなかっただろう。反対運動に参加した住民は、「役人たちの不逞な行い」に怒りを爆発させた(一部の極左集団を除く)。鳥取市は、市民の半数以上が住民投票に訪れたことを忘れてはならない。失った信頼を取り戻すには長い時間がかかる。役人の肩ばかり持っていると、いつか寝首を掻かれるだろう。
<まとめ>
・市民は建て替えより、役人たちの不誠実な行いに怒っている。
・耐震補強に40億円かけるより、建て替えに100億円かける方が賢明。
・住民投票(法的拘束力なし)の結果は市民の意思である。それを無視した市長の責任は非常に重い。
形態 | 市庁舎 |
税金投入額 | 100億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 200億~300億円 |
役立たず度(5段階) | ★★☆☆☆ 2 |
外部サイトへのリンク
<鳥取市 公式ホームページ>
井原鉄道(岡山県)(目次に戻る
『井原鉄道』は、約42kmの区間を走る岡山県のローカル鉄道だ。なお、運営会社の「井原鉄道㈱」は、県や民間企業から出資を受ける第三セクターである。以前は赤字続きの苦しい経営を余儀なくされていたが、2015年から2018年まで3期連続で黒字を達成するなど、業績は回復傾向にあった。
井原鉄道は、昨年発生した「西日本豪雨(平成30年7月豪雨)」の影響で線路が甚大な被害を受けた。その後、復旧までに時間がかかったことで利用者離れが加速。2019年度業績は約3000万円の赤字に転落する見通しだ。なお、井原鉄道には毎年1.5億~2億円の補助金が投入されてきた。
井原鉄道は一定額の補助金が投入されることで、何とか経営を維持している。しかし、他の地方都市のローカル鉄道同様、「廃線」を検討する案(確定ではない)が出ているそうだ。先述した「サンデン交通」と同じような状況であり、補助金が市の財政を圧迫していることは理解できる。岡山県も赤字路線を手厚く保護する気にはならないのだろう。
公共事業は「順番」間違えると大変な事態を招く。大金が動くダムばかり建設した結果、河川工事は疎かにされ、大雨で堤防が決壊、大水害を招いた地域もある。コスト削減も順番を間違えてはならない。井原鉄道㈱の経営状況はしっかり見直しを図る必要がある。しかし、ただ補助金が勿体ないという理由で廃線を決断しても利用者は納得しない。理由は、削減すべきハコモノがあることを知っているからだ。
街と街を繋ぐ鉄道は、地方再生の重要なカギを握る。田舎町に新しい路線を通せとは言わないが、今あるものはぜひ継続してほしい。人の行き来する「手段」が無くなれば、街は必ず衰退する。岡山県は2000億円をかけて造った「苫田ダム」の余った水を購入すべく、毎年6億円以上の無駄金を費やしている。コスト削減の順番を間違えれば、後で必ず後悔するだろう。
<まとめ>
・赤字経営を改善する努力が必要。補助金依存の体質を改善したい。
・2億円の補助金を出し渋る前に、無駄なハコモノと意味不明は支出を見直さなければならない。
・鉄道は県民の大切な足である。予算がないという理由だけで廃線すれば、街は必ず衰退する。
形態 | 第三セクター |
税金投入額 | 2億円(単年) |
経営状況 | 赤字 |
役立たず度(5段階) | ★☆☆☆☆ 1 |
外部サイトへのリンク
<井原鉄道㈱ 公式ホームページ>
/
— くらとこ/「倉敷の今」を伝えるWEBメディア (@kuratocoWeb) February 1, 2020
開業20年を越えて地域の足として
活躍を続けるローカル線🚞
「井原鉄道(井原線)」
\
1999年(平成11年)1月11日11時11分11秒に開業🎊
夢やすらぎ号というレトロ風の列車もあります✨#くらとこ 新メンバー🆕
つぶあん@ttsubuan さんの目から見た
井原鉄道の魅力とは?https://t.co/kaRxmiMSAC pic.twitter.com/JSLLa3snio
ホテル宍道湖(島根県)(目次に戻る
島根県が職員の福利厚生施設として開業した『ホテル宍道湖』は、2017年に閉鎖された。なお、一般人も利用可能なホテルではあったが、そもそも黒字経営など目指しておらず、運営は全て補助金で賄われていた。総事業費には50億円ほどかかっているが、バブルを迎えつつあった時代に建てられて施設としては、控えめな額と言えるだろう。
ホテル宍道湖は利用者に比較的支持されていた。この付近には観光名所の松江城や温泉などが多数あり、週末になるとかなり混在する。似たような規模のホテルがあちこちにあるものの、県営で宿泊料金も安いため、一定の支持を集めていたのだろう。売り上げが予想以上に伸びたため、毎年の赤字額は数百万円規模にまで縮小した。
耐震工事の費用が分からないため、県の判断が妥当かは判断しかねる。なお、閉鎖を惜しむ声も多数あったようだ。今後、跡地がどのような形で利用されるかは決まっていない。建物をリプレースする場合は、耐震補強工事を確実に行う必要があるため、それを踏まえても利益を上げれると民間企業が判断すれば、面白い物件になる気がした。
ホテル宍道湖は松江市の観光地に近く、通行量の多い国道54号線に面しており立地は文句ない。さらに道の反対側には山陽本線(JR西日本)の駅もあり、目の前には宍道湖の美しい景色が広がっている。島根県は人気観光地ではないが、一定の利用者が見込める土地であれば、ホテル、またはホテル以外の使い道を検討する価値はあるだろう。
ホテル宍道湖が閉鎖したことで、周辺の施設(飲食店、娯楽施設、温泉等)は何らかの影響を受けているはずだ。観光客が離れれば、県の収入にも大きな影響を与える。跡地の利用計画が発表される日を待ちたい。
<まとめ>
・松江市は、耐震補強工事の費用が工面できないため閉鎖を決断した。
・ホテル宍道湖は利用客から一定の評価を受けており、毎年の赤字は数百万円だった。
・跡地は立地に恵まれている。松江市を訪れる観光客を「逃がさない」為にも、新たな利用方法を模索してほしい。
形態 | 県営ホテル |
税金投入額 | 50億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 100億~150億円 ※閉鎖済み |
役立たず度(5段階) | ★★☆☆☆ 2 |
外部サイトへのリンク
<山陰観光 公式ホームページ>
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— News Japan (@news_type_c) July 11, 2019
ホテル宍道湖の整備方式案 (NHK)
松江市中心部にあり、おととし閉鎖した「ホテル宍道湖」の跡地について松江市は、土地の売却は行わず、新しい施設については機能や性質に応じて民間のノウハウを取り入れる方式が望まし…https://t.co/6YItvgTWcQ#ニュース#ニュース速報#超速NEWS速報 pic.twitter.com/BJL3qZfMju
中山川ダム(山口県)(目次に戻る
『中山川ダム』は「島田川水系中山川」を水源とする重力式コンクリートダムである。山口県岩国市とその周辺の「水源」になると期待されていたが、そもそもこの一帯は水不足に陥ったことが一度もなく、建設を疑問視する声もチラホラあったようだ。しかし、1995年に工事は無事竣工。130億円をかけて造られた中山川ダムは営業運転を開始した。
ダムの建設費用の半分以上を肩代わりした「広域水道企業団(公営)」は、岩国市他の上水道を整備すべく動きだす。しかし、そもそもこの地域は水の供給に困っておらず、水道管を敷設しても利用者を確保できないことが判明。中山川ダムは一生懸命水を貯め込んだが、それが利用されることは「一度もなく」、利水事業は陽の目を見ぬまま終了。さらに広域水道事業団(公営)はダムの建設費用を踏み倒し、解散した。
利水事業に失敗した中山川ダムは、治水効果を期待された。しかし、「西日本豪雨(平成30年7月豪雨)」で島田川の堤防はド派手に決壊。中山川はギリギリのところで踏みとどまったものの、治水効果は期待できないことが露呈した。
中山川と島田川は、過去にも堤防決壊による大水害を引き起こしたことがある。すなわち、ダムが水位を調整すれば、一定の治水効果は得られるのだ。しかし、役人たちは「治水事業の順番」を完全に誤った。河川の弱点部には目もくれず、大金の動く道路やダム建設だけを推進し、結果が昨年の豪雨災害である。
営業を停止した中山川ダムは、一定の治水効果は得られると判断されたものの、利水効果については完全な役立たずとして認定された。現在、県と市は大急ぎで島田川系水域の河川工事を行っている。なお、建設を推進した役人と、借金を踏み倒した広域水道事業団(公営)の幹部は、知らぬ存ぜぬを繰り返し、現在も逃亡中である。「無駄なハコモノ」という負債を背負わされ、さらに水害にも見舞われた周南市民には心から同情する。
<まとめ>
・治水事業は順番を誤ると大災害に繋がる。ダムを造ることも大切だが、河川の堤防が脆弱では洪水は防げない。
・水源として期待された中山川ダムは、1円の利益も上げることができなかった。
・無能な役人と大型公共事業を組み合わせると、官製談合・賄賂・ハコモノが生まれる。
形態 | ダム |
税金投入額 | 130億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 260億~390億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★☆ 4 |
外部サイトへのリンク
<中山川ダム ダム便覧>
中山川ダム(なかやまがわ、山口県岩国市)
— .moto@外出自粛なう (@aaaaaauo) March 6, 2020
先月訪。県営多目的ダム。ぱっと見、よくある自治体型だが、オリフィスの形と放流設備の位置取りが独特。1995年竣工のコンクリートはまだ新しさを漂わせており、クレストを越流した痕もクッキリ。開放的で左岸側から上流側へも堤体直下へも行く事ができる。 pic.twitter.com/1HWnR9Fp6Y
広島高速5号線(広島県)(目次に戻る
広島高速1号線と「山陽自動車道」を繋ぐ新ルートとして建設中の『広島高速5号線』。中心市街地と広島空港間の利便性を向上させると共に、周辺地区の渋滞を緩和させる狙いもあるという。総事業費は工事開始時点から300億円以上も増加し、2019年末時点で1500億円を予定している。
総事業費が大幅に「増え始めている」ことで、県議会の中でも「本当に採算が取れるのか?」といった意見が出ているらしい。工事は既に始まっており今さら後には引けない状態にも見えるが、なぜもう少し早く意見提起できなかったのだろうか。
広島高速5号線が建設されることで、中心市街地と空港までのアクセス時間は5分程度短縮され渋滞緩和に効果を発揮するというが、建設されなくても県民の生活に影響はない。広島県は道路建設よりも先にやるべきことがあると思う。
中心市街地の道路を整備し、利便性を高めたい気持ちは分かる。また、「災害時のルート確保」という観点でも効果はあると思う。しかし、今あるルートでも目的地まではたどり着けるのだ。何より5分の時間短縮と「渋滞緩和が期待できる」程度の道路に1500億円を投入するなど正気の沙汰ではない。国と地方自治体の財政状況を考え、税金の使い道はもっと厳しく精査すべきだろう。
広島高速5号線に関連する工事のひとつで、請負業者が「故意に」低価格入札(200億円)し、「契約後」に工事費の変更(300億円⤴)を依頼、全国ニュースでも報道されるほどの問題となっている。ここまで紹介してきた「無駄なハコモノ」と同じだ。役人と大手ゼネコン幹部が手を組むと、ロクなことが起こらない。
中心市街地に住む「一部の利用者」の利便性を向上させるより、県民の命を守る砂防対策や、豪雨で洪水被害が発生した河川の増強工事を優先して進めてほしい。
<まとめ>
・公共工事の優先順位を厳格に審査すべし。
・広島高速5号線は、5分の時間短縮と渋滞緩和が「期待できる」程度の効果しかない。
・砂防対策が進まない地域、豪雨被害を受けた地域の復旧に「全力を」注いでほしい。
形態 | 道路 |
税金投入額 | 1500億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 3000億~4500億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★★ 5 |
外部サイトへのリンク
<広島高速5号線 Wikipedia>
若桜鉄道(鳥取県)(目次に戻る
鳥取県の豪雪地帯として知られる「八頭郡」。その中で地域を繋ぐ役割を果たしてきた『若桜鉄道㈱』は、鳥取県等が出資する第三セクターである。わずか9駅しかない「若桜線」は、町民の生活を支えてきた。しかし、地方自治体の小さな鉄道会社は人口減少の影響をもろに受け、赤字を計上する年が増え始めていた。
2018年。若桜鉄道㈱は前年度の利益を大幅に上回り、累積赤字を解消した。町が補填した補助金(赤字補填2億円、設備投資1.5億円)を活かし、さらに経営努力を重ね、それがついに実を結んだと言えるだろう。なお、2019年度も黒字の公算が高く、「補助金依存体質」からの脱却を図れるかが注目される。
若桜鉄道㈱は、先ほど紹介した「サンデン交通」や「井原鉄道㈱」以上の成果を上げつつある。特に「補助金依存体質から脱却」しつつあることが素晴らしい。町の財源を考えると、1億円の投資は大きなリスクを伴うはずだ。また、赤字を補填しても経営状況が改善されなければ、毎年同じことが繰り返され、上位機関(国、県)から廃線を提案されるかもしれない。
若桜鉄道㈱は「過剰な設備投資」を行うのではなく、観光客を誘致する努力、地域住民参加のイベント企画・営業などを徹底して行い、結果を出した。うわべばかり取り繕ったアリーナやビル、役立たずのダムばかり造る無能な役人たちに、彼らの「爪の垢を煎じて」飲ませてやりたい。
県民が必要としている企業、施設に適切な額の補助金が投入され、かつ、「自助努力を怠らなければ」、結果は自ずとついてくる。小さな投資額でも、自治体と住民は財産を形成できるのだ。国や県も大型公共工事ばかり追い求めるのではなく、企画や営業努力に励む大切さを理解してほしい。誰にも必要とされず、維持管理費だけ垂れ流すハコモノ建設から卒業しよう。
<まとめ>
・補助金依存体質から抜け出した第三セクターは、自治体、地域の財産になる。
・補助金はあくまでサポート役に徹すべし。何より大切なのは、自助努力に励むこと。
・地方再生のカギは、高速道路やダムではなく、頑張っている人や企業が握っている。
形態 | 第三セクター |
税金投入額 | 3.5億円(累計) |
経営状況 | 黒字 |
役立たず度(5段階) | ☆☆☆☆☆ 0 |
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<若桜鉄道㈱ 公式ホームページ>
笠岡ふれあい空港(岡山県)(目次に戻る
1991年に建設された『笠岡ふれあい空港』は、農作物の「空輸」等で利益を上げると期待されていた。同じような「農道空港」が日本各地に建設され、県と県を結ぶ懸け橋になるはずだったが、役人の目論見は見事に外れる。
2007年。笠岡ふれあい空港は「利益が確保できない」という理由で農作物の空輸を打ち切った。約15億円を投じて整備した空港は、高速道路や鉄道などの「陸路」に役目を奪われたのだ。しかし、笠岡市は何とか維持管理費だけでも稼ぎたいと考え、起死回生の一手に打って出る。
1995年。笠岡ふれあい空港で開かれたアジア初の「ラジコン飛行機大会」は、約20万人の来場者を集めた。この年は年間の維持管理費にかかる500万円以上を稼ぎ出し、見事黒字を達成する。しかし、その後は様々なイベントを開催するも、150万円前後の赤字を計上する年が続く。「ラジコンの聖地」として人気を集め始めたが、経営はなかなか軌道に乗らなかった。
笠岡ふれあい空港は、ラジコン飛行機(ヘリ)に活路を見いだしたが、現実はなかなか厳しいようだ。しかし、笠岡市は思いもよらぬ形で利益を上げる。イベントや講習会、大会などが毎年開催され、ラジコンの聖地の名は全国に広まり、街に人が集まり始めたのだ。空港自体は毎年150万円前後の赤字を計上し、市から補填を受けてはいるが、街全体の飲食業や宿泊業の売り上げ向上に大きく貢献していた。
笠岡ふれあい空港が地域経済に与える影響は大きい。カッコいい言い方をすれば「赤字覚悟で人を集め、他の産業に恩恵をもたらしている」のだ。赤字経営の空港に投入される補助金150万円が、街に人を集め賑わいをもたらす。ラジコンの聖地という「ブランド力」がさらに強化されれば、笠岡市は素晴らしい財産を手にすることになるだろう。
<まとめ>
・笠岡ふれあい空港の赤字経営は解消されていない。しかし、人を集めることで街全体の利益向上に大きく寄与している。
・毎年投入される補助金150万円は、ラジコンの聖地という「ブランド力」に投資している、と考えることができる。
形態 | 空港 |
税金投入額 | 15億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 30億~45億円 |
役立たず度(5段階) | ★★☆☆☆ 2 |
外部サイトへのリンク
<笠岡ふれあい空港 公式ホームページ>
笠岡ふれあい空港で行われた、大空と大地のカーニバル2018
— まいるどびーすと (@silentcoremp5sd) December 2, 2018
TEAM FKによるラジコン展示飛行
写真で見ると、本物との区別がつけにくい#笠岡ふれあい空港#大空と大地のカーニバル2018 pic.twitter.com/aQRHwgqXpP
グラントワ(島根県)(目次に戻る
『島根県芸術文化センター グラントワ』は、人口約13万人の島根県益田市に建設された。総事業費170億円は県と市がそれぞれ負担している。地方にある「美術館」や芸術ホールの類は、大半が赤字経営に苦しんでいる。しかし、グランソワは開業した2005年から順調に売り上げを伸ばし、年間来場者数は50万人を突破する勢いだった。
益田市の人口を考えると、グラントワは素晴らしい成果を上げたと言えるかもしれない。しかし人気に陰りが見え始め、来場者数は下降線をたどる。赤字は最小限に抑えられているものの、経営状況が改善されるかは分からない状態だ。
美術館や図書館などは、県民が頻繁に利用する代表的な公共施設だ。これらは、そもそも「営業目的(売り上げ目的)」では建設されておらず、「利用者への投資」を目的としていることが多い。美術館は「美意識や芸術を学び」、図書館は「知識を得る」ために造る、と役人は考えているのだろう。
グラントワは市民の「観る力や美意識」を向上させ、生活をより良いものに変えてくれるかもしれない。しかし、どうせなら「ビジネス」としても成立させてほしいと思う。入場者数がさらに減り、毎年赤字を垂れ流すだけになれば、「無駄なハコモノ」と呼ばれてしまうだろう。入館料を引き上げろとは言わないが、施設の魅力をPRし、「ぜひまた訪れたい」と思わせなければならない。
グラントワの入場者数は右肩下がりで減少しているが、「V字回復」を達成できるポテンシャルはあるはずだ。しかし、間違っても設備を増強したり、新しい展示場を建設してはならない。今すべきことは、施設の魅力を世界中に発信し、人を集める(地域住民・企業と協力できればなおよい)努力だ。
<まとめ>
・公共施設も利益を追求すべき。初期投資を抑え黒字経営を実現させれば、地方自治体の大きな財産になる。
・補助金頼みのハコモノと呼ばれない為にも、施設の魅力を発信し、集客努力を継続しよう。
形態 | 芸術ホール |
税金投入額 | 170億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 340億~510億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★☆☆ 3 |
外部サイトへのリンク
<グラントワ 公式ホームページ>
山陰自動車道(山口県)(目次に戻る
中国地方を通過する「3本目の高速道路」として建設中の『山陰自動車道』。山口県を起点とし、日本海側の過疎地域を通過するべく工事が進められている。なお、「細切れ開通(部分開通)」されている区間が多く、鳥取県と島根県でも同じ事象が複数発生している。理由は工事区間を分ければ、無駄な公共工事と思われにくい為だ。
山口県から鳥取県までの日本海側は「過疎地域」である。つまり、人口、車の通行量とも少ない。そこになぜ高速道路を建設する必要があるのか、と誰もが思うはず。災害時のルート確保(代替え道路)の為とも言われているが、その役割は「中国自動車道」と「山陽自動車道」で事足りる。なぜ中国地方に3本目の高速道路が必要なのか。理由は「安倍晋三内閣総理大臣」の地元だからだ。
中国地方には西日本と東日本を結ぶ大動脈「山陽自動車道」があり、その北側には中国自動車道も走っている。災害時には2本の高速道路がループを形成し、西から東へ物資輸送を可能にするのだ。しかし、山口県の役人と安倍首相は、3本目のルートを形成しなければ「真の安全と安定」は確保できないと判断したのだろう。
山陰自動車道の総事業費は6500億円を超える予定だ。新しい道を通せば過疎地域にも人が行きやすくなり、物資の輸送は間違いなく容易になるはずだ。地域住民も工事の完成を熱望しているという。しかし、「無駄な高速道路」を建設する代償はあまりに重い。消費税、地方税は知らぬ間に引き上げられ、保険料は3割負担になり・・・
公共工事が国を支えていたのは、高度経済成長期までだ。人口減少時代に突入し、税収は確実に減少しつつある。人口減少時代に突入した今、過疎地域に高速道路を通し、維持管理に数千億円を払うことが正しいと思う人は、今すぐ病院で脳の診察を受けた方がいい。
<まとめ>
・中国地方には山陽自動車道と中国自動車道があり、災害時の代替えルートは既に確立されている。
・高速道路の建設・維持費は、巡り巡って山口県民にも必ず跳ね返ってくる。
・立派な道を建設しても、儲けるのは役人と大手ゼネコン幹部だけである。
形態 | 高速道路 |
税金投入額 | 6500億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 1.3兆円~1.95兆円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★★ 5 |
外部サイトへのリンク
<山陰自動車道 Wikipedia>
「桜」問題にはゼロ回答【安倍首相「お膝元」は何でもアリの私物化天国】地元山口5つの疑惑 下関市立大「専攻科」新設、教員人事 地元協会が総理の等身大パネルを市内に設置 〝安倍・麻生道路〟と批判殺到の「下関北九州道路」 地元で〝安倍道路〟と呼ばれる「山陰自動車道」...(日刊ゲンダイ) pic.twitter.com/LK95lsvKfl
— KK (@Trapelus) December 18, 2019
燕趙園(鳥取県)(目次に戻る
『燕趙園(えんちょうえん)』は、鳥取県湯梨浜町の東郷温泉内にある不思議なテーマパークだ。「中国4000年の歴史」をテーマにした庭園の広さは10000㎡を超え、「日本最大の中国庭園」として一部のマニアに知られている。なお、庭園の横にある「道の駅燕趙園」も鳥取県が管理しており、中華料理を楽しめるレストランなどが併設されている。
1995年。燕趙園は、「友好州」関係にある中国河北省との「友好のシンボル」とした造られた。総事業費は25億円。なお、道の駅建設を合わせると、40億円近い費用がかかっている。目の前に広がる「東郷池」とのコントラストは本当に素晴らしく、多くの観光客を誘致すると思われていたが、世の中そんなに甘くない。燕趙園と道の駅には、毎年5000万円もの補助金が投入されている。
燕趙園が失敗した理由は、ここまで紹介してきた「無駄なハコモノ」と全く同じである。広大な敷地に中国の息吹を感じさせる施設を建てても、観光客は興味を示さない。「広いね、綺麗だね」と思う程度だろう。維持管理費の大半は広大なテーマパークから発生している。庭木の剪定や清掃、修繕費、管理者の人件費などが膨らむことは、小学生でも理解できる。
道の駅やテーマパークを建設する際も、他の公共施設と同様に「初期投資」を低く抑えなければならない。仮に5000万円の利益を上げたとしても、維持管理に1億円かかれば大赤字だ。しかし、施設への投資を抑え維持管理費が2000万円になれば、利益を生み出す町の宝になるだろう。
燕趙園の総事業費は他の公共施設やテーマパークに比べれば「高が知れている」。しかし、毎年赤字を垂れ流し、5000万円もの税金を無駄にしていることは事実だ。汚名を注ぐには、自助努力で黒字を達成するしかない。
<まとめ>
・初期投資は可能な限り低く抑える。
・初期投資を抑えても、赤字経営では意味がない。
・燕趙園は広大な庭園の使い道を考えるべき。地域住民とも協力し、町の魅力をアピールしてほしい。
形態 | テーマパーク |
税金投入額 | 25億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 50億円~75億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★☆ 4 |
外部サイトへのリンク
<燕趙園 公式ホームページ>
宍道湖・中海淡水化干拓事業(島根県)(目次に戻る
無駄な公共事業の中には、住民からの反対運動を受け中止に追い込まれた件名もある。その中でも特に有名なものが『宍道湖・中海淡水化干拓事業』だ。国と県は、島根県と鳥取県にまたがる「中海(なかうみ)」の一部を埋め立て、農業用地として活用したいと考え、海水を淡水化するべく工事は開始した。
1960年代から動き出した工事は、住民の反対運動や「減反政策(米の生産量調整)」等の影響を受け計画を変更しながらもゆっくりと進んでいった。しかし、1980年に日本海と中海を隔てる「堤防(水門)」が完成したことで反対運動は一気に加速。県は工事を一時中断し、干拓は先送りされた。
国は、干拓の先送りから約15年経った2002年に淡水化事業の中止を発表。それまでに費やされた事業費は850億円を超えた。そもそも、島根県と鳥取県には「農地」が腐るほどあるのに、なぜ国と県は中海を埋め立てて農業用地にしたかったのか。理由はここまで紹介してきた「無駄なハコモノ」の事例を見れば理解できるだろう。
国と県は中海を干拓し新しい農地を獲得したかったが、島根・鳥取県民からすれば余計なお世話である。貴重な自然を破壊することも問題だが、土地は有り余っているのになぜ新しい農地が必要なのか。しかし、一番の問題は大型公共工事で得られる儲けのことしか考えていない役人たちにある。工事に費やされた850億円はドブに捨てたも同然、まさに「無駄の極み」と言えるだろう。
人口増加の影響等で止む無く海を干拓する、という理由であれば、ある程度の理解は得られるだろう。国と県は中海の淡水化中止を決断したが、途中で投げ出してもよい意味不明な事業など「最初からやるな」と言いたい。なお、日本海と中海を隔てていた水門は、約100億円をかけて撤去工事が実施され、2009年に無事完了した。
<まとめ>
・県民の望まない公共事業ほど無意味なものはない。
・宍道湖・中海淡水化干拓事業は、意味不明な伝説の公共事業として語りつぐべし。
・950億円もの血税をドブに捨てた罪はあまりに重い。
形態 | 干拓事業 |
税金投入額 | 950億円 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 工事完了 |
役立たず度(5段階) | ★★★★★★ 6 |
外部サイトへのリンク
<中海 Wikipedia>
今は完全に跡形もなくなってますが、かつては水色のラインのように水門橋が存在してました。
— てしゅ🌖あきつさん。 (@teshsmutter) May 29, 2016
もともと中海という汽水湖を干拓・淡水化する目的で設けられた中浦水門。昭和の国引きとも呼ばれたこの事業は中止され、目的を失った水門は撤去されました pic.twitter.com/7qCHzrujue
中国地方のテーマパーク(目次に戻る
中国地方の5県には興味深いテーマパークがたくさんある。ここでは主に閉鎖された施設の紹介と、『中国地方のテーマパーク』のあるべき姿を整理しようと思う。
テーマパークは、地方自治体が運営・管理する「公営」、「民間」、「官民連携」の三つに分けられる。ディズニーランドとUSJは民間、宮崎県にあるシーガイアは官民連携の代表である。地方自治体は観光客を呼び集めるべく、各地にテーマパークを乱造した。中国5県も「似たような遊具(観覧者、ジェットコースターなど)」をかき集め、競い合うように税金を投入する。しかし、どこにでもある「似たような施設」を造っても、観光客は誘致できなかった。
岡山県に建設された「倉敷チボリ公園」は、中国地方の官民連携(公設民営型)テーマパークとして華々しくオープンするも、約10年後に閉園された。総事業費500億円のうち、県は約200億円を負担し、閉園までの間に70億円以上の補助金まで投入している。なお、清算手続き等は全て完了し、跡地には「三井アウトレットパーク」がオープンした。
閉鎖された「公営のテーマパークたち」は、赤字を垂れ流す「無駄なハコモノ」に認定された。しかし、彼らも「一定数の観光客は誘致」しており、県や市の観光産業に貢献していたことは確かだ。また、赤字額の小さい(1000万~2000万円程度)施設でも補助金が勿体ないという理由で閉鎖されている。
赤字額の小さいテーマパークは、ぜひ延命処置を施してほしいと思う。「税金を無駄遣いするつもりか?」と怒られそうだが、一度も営業しなかった「中山川ダム」の建設費(130億円)があれば、赤字額の小さいテーマパークを1000年以上延命することができる。
赤字続きだった公営テーマパークでも、営業と経営努力次第で県の大きな財産になるかもしれない。無駄な公共事業に投資し、維持管理費という名の「負債」を背負わされるより、よっぽど価値のある投資だと思う。ただし、あくまで「復活が期待できるテーマパーク限定」だということを忘れてはならない。
<まとめ>
・総事業費500億円、維持管理に毎年数億円かかった倉敷チボリ公園は無駄なハコモノの典型。
・単年の赤字額が小さいテーマパークは、努力次第で県の財産になり得る。
・赤字のテーマパークも、一定数の観光客は誘致している。閉鎖する時は赤字額と来場者数を精査すべき。
形態 | テーマパーク |
税金投入額 | 500億円以上 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 不明 |
役立たず度(5段階) | ★★★☆☆ 3 |
外部サイトへのリンク
<倉敷チボリ公園 Wikipedia>
#平成時代に誕生したものの平成最後の年を迎えることなく終了したもの
— オダブツのジョー (@odanii0414) October 8, 2018
倉敷チボリ公園。 pic.twitter.com/RHVOeBuF30
下関北九州道路(山口県)(目次に戻る
最後に紹介するのは「道路大好き山口県」で計画されている『下関北九州道路』だ。総事業費は2000億円以上を想定しており、2017年に当件名に関連する「工事調査検討会」が発足された。なお、下関と九州を結ぶ「二つ目の橋&海底トンネル」は「安倍麻生道路」とも呼ばれている。
「九州経済連合会」会長は、「麻生太郎副総理」の弟が務めている。下関北九州道路は、強大な力を持つ役人、大型公共工事、民間(ゼネコン)がそろい踏みした、史上まれにみる「欲望と恥辱塗れの公共事業」と言えるかもしれない。
2019年4月。北九州で開かれた自民党の会合の中で、国土交通副大臣は「山口県の覇者安倍総理、そして北九州の帝王、麻生副総理に忖度し、下関北九州道路の工事再開を決めた」と発言し、全国ニュースで大々的に取り上げられた。九州と本州を繋ぐ新しい道路ができれば、災害時等に「バイパス」の役割を果たすことは理解できる。しかし、「忖度」で2000億円の公共工事を進めてはいけない。
新しい道路を建設し「未曽有の大災害」に備えたい気持ちも理解できる。しかし、まずは目の前の小さな課題解決を優先させてほしい。昨年からの台風や豪雨で決壊、もしくは決壊しかけた河川の復旧、被災地の復興は道半ばだ。「浸水想定区域調査」の終わっていない河川は全国に腐るほどある。2000億円使って「安倍麻生忖度道路」を建設する余裕があるのなら、いつ降ってもおかしくない豪雨に備えてほしい。
大型公共事業の匂いを嗅ぎつけた大手ゼネコン幹部は、下関北九州道路の開始を手ぐすね引いて待っている。安倍麻生忖度道路が全く無駄とは思わないが、今やるべきこと(順番)を間違えないでほしい。なお、下関北九州道路建設は「調査」が始まった段階である。本体工事が確定した訳ではないのであしからず。
<まとめ>
・忖度で公共事業を行ってはならない。
・未曽有の大災害に備えるのも結構だが、まずは目の前の課題(豪雨被害の復旧など)をひとつずつ解決してほしい。
形態 | 道路 |
税金投入額 | 2000億円以上 |
ライフサイクルコスト (一生涯にかかる維持管理費) | 4000億~6000億円 |
役立たず度(5段階) | ★★★★☆ 4 |
外部サイトへのリンク
<下関北九州道路 Wikipedia>
まとめ
今回は貴重な血税を無駄遣いする施設&第三セクターを紹介した。なお、全て私の主観で選んでいることをご理解頂きたい。中国5県の財政状況は決して良くないものの、「無駄なハコモノ」への投資は後を絶たない。私腹を肥やす役人に好き放題させると、維持管理費という名の「負債」はどんどん膨らんでいくだろう。最後までお読みいただきありがとうございました。