◎韓国はパンデミックの初期段階で濃厚接触者の追跡体制を確立し、感染をほぼ抑え込むことに成功した。
2022年2月7日/韓国、首都ソウルの仮設コロナウイルス検査所(Ahn Young-joon/AP通信)

韓国政府はオミクロン株の感染急拡大に伴い、陽性者と濃厚接触者のGPS監視をやめ、陽性者の毎日の健康診断も終了する予定である。

韓国のタスクフォースは2月7日の記者会見で、「現在の検疫体制を維持することは難しくなった」と述べた。

疾病予防管理庁によると、7日の新規陽性は約39,000件で、1月中旬の9倍に増加したという。タスクフォースは現在の勢いが維持されれば、2月下旬の新規陽性は13万~17万件に達する可能性があると警告した。

韓国はパンデミックの初期段階で濃厚接触者の追跡体制を確立し、感染をほぼ抑え込むことに成功した。保健当局はバイオテクノロジー企業と協力して検査体制と強化し、GPSアプリなどのツールを積極的に活用した。

しかし、オミクロン株は文在寅 大統領が構築した「K防疫」を圧倒し、保健当局と医療機関に圧力をかけている。

当局はすでに「在宅医療の拡大」「隔離期間の短縮」「迅速抗原検査キットによる検査」などの方針転換を図っており、重症化リスクの低い人の検疫を簡素化している。

地元メディアによると、保健所や医療機関は自宅療養中の患者および濃厚接触者約15万人への対応に追われ、機能を維持することが難しくなっていたという。GPS対応アプリを活用して患者と連絡を取っていた公務員も陽性者の急増に対応できなくなった。

政府によると、GPS対応チームは症状のある自宅療養患者の支援にまわる予定。また、これまで濃厚接触者に求めていた「外出届け」の提出も不要になるため、同居家族の負担も軽減される。

50代以下で持病のない患者は自分で健康状態を観察し、症状が悪化した場合には地域の医療機関に連絡することになる。60代以上や持病のある人はこれまで通り保健所の電話検診を受ける。

疾病予防管理庁は7日の会見で、「政府は検疫体制を簡素化したうえで、限られた医療資源と社会活動の維持に必要不可欠な企業および個人を保護できる体制に移行する予定である」と述べた。

疾病予防管理庁によると、全国の重症患者は7日時点で270人、集中治療室の占有率は約46%。新規陽性は急増しているものの、直近1週間の死亡者は1日あたり20人まで低下した。

韓国のワクチン完全接種率は西側諸国の中で最も高く、人口の約86%が接種を終えている、ブースター接種率は約55%。

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