◎ウラジーミル・プーチン大統領の独裁に反対する野党、独立系メディア、人権活動家は厳しい取り締まりに直面し、活動の縮小や亡命を余儀なくされている。
2019年10月/ロシア、モスクワで開催された政治集会、野党指導者のアレクセイ・ナワルニー氏と妻のユリア氏(右)(Getty-Images/AFP通信)

1月25日、ロシア当局は投獄された野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏とその関係者をテロリストと過激派のリストに追加した。

ウラジーミル・プーチン大統領の独裁に反対する野党、独立系メディア、人権活動家は厳しい取り締まりに直面し、活動の縮小や亡命を余儀なくされている。

国営メディアによると、ロシアの連邦財務監視サービスはナワルニー氏とその関係者8人をリストに追加し、銀行口座の凍結手続きを開始したという。

プーチン大統領の独裁に反対する野党勢力を率いていたナワルニー氏は2020年8月に暗殺されかけ、ベルリンでの治療を終え帰国した昨年1月に逮捕された。ナワルニー氏に塗布された神経ガス「ノヴィチョク」は旧ソ連製と伝えられている。

西側諸国は暗殺未遂事件と逮捕を非難しロシアに制裁を科したが、ロシア当局は事件への関与を否定している。

ナワルニー氏は2014年に言い渡された有罪判決の執行猶予期間中に国外に逃亡した罪で2年半の実刑判決を言い渡された。その翌月にはナワルニー氏の兄弟と多くの関係者も刑事告発に直面し、ナワルニー氏が立ち上げた腐敗防止財団、地方事務所、ソーシャルネットワーク網はすべて非合法化された。

ロシアは独立系メディアや人権団体への圧力も強めており、ここ数カ月で数十人が「外国のエージェント」に指定された。このリストに登録された個人は政府の厳しい監査を定期的に受ける必要がある。

また、「望ましくないグループ」に指定された多くの独立系メディアや団体が起訴を回避するために解散した。

国営メディアによると、連邦財務監視サービスはナワルニー氏の弟であるオレグ・ナワルニー氏とその関係者に執行猶予付きの有罪判決を言い渡すよう司法当局に請願したという。オレグ氏は昨年、コロナ規則に違反した容疑で執行猶予付きの有罪判決を受けている。

ナワルニー氏の逮捕とその後の抗議デモに対する暴力的な取り締まりは西側諸国の怒りを引き起こした。

欧州委員会のピーター・スタノ報道官は25日の会見でロシア当局の決定を非難した。

2021年に亡命した弁護士のリュボフ・ソボル氏はAP通信の取材に対し、「当局はプーチンの命を受け、ナワルニーと関係者をリストに加えた」と語った。ソボル氏はナワルニー氏の側近のひとりで、自身も当局のテロリストリストに登録されている。

ソボル氏は、「私、ナワルニー、関係者のリスト入りは、下位の役人ではなくクレムリンのトップが決めた」と断言した。「プーチンは反抗的な個人や団体に罪を着せ、テロリストと呼び、強制収容所に押し込もうとしています...」

またソボル氏は、「今回の決定はホームページやソーシャルメディアなどを使ってロシアの情報を発信している国民を怖がらせることを目的としている可能性が高い」と指摘し。

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