◎クーデターは世界中で非難され、米国はスーダンに対する7億ドル(約780億円)の援助を停止した。
2021年10月25日/スーダン、首都ハルツーム、軍事クーデターを非難する抗議デモ(Ashraf Idris/AP通信)

スーダンの現地メディアによると、軍当局はクーデターに反対する抗議デモ参加者に発砲し、少なくとも7人を射殺したという。

アルジャジーラは25日の放送で、当局は街頭で抗議していた民間人に発砲し、少なくとも7人が死亡、140人が負傷したと報じた。

クーデターは世界中で非難され、米国はスーダンに対する7億ドル(約780億円)の援助を停止した。

アブダッラー・ハムドゥーク首相と一部の政府高官は25日の早い時間に拘束されたと伝えられている。事件後、軍と民間の代表で構成されるソブリン評議会のアブデル・ファッタ・バーハン将軍はクーデターを擁護し、2023年7月の選挙まで軍が権力を握ると述べ、ソブリン評議会を解散させた。

またバーハン将軍は、「軍は国の安全を確保する必要がある」と述べ、全国に非常事態を宣言した。

アルジャジーラによると、軍当局は選挙を管理する技術者委員会を創設すると明らかにしたという。

軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを打倒し、国を民主主義に導く軍民暫定政府ソブリン評議会を発足させた。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。

首都ハルツームでは数千人規模の抗議デモが開催され、参加者たちはクーデターを厳しく非難した。報道によると、軍当局はハルツームと隣の都市オムドゥルマンの抗議者に向け発砲したという。保健当局はアルジャジーラの取材に対し、「これまでに7人の死亡を確認した」と述べた。

オムドゥルマンの抗議者は幹線道路にバリケードを設置し、軍事政権の解散と文民政府への移行を呼びかけた。

主要野党の「自由と変化の力」もクーデターを非難し、全国民に不服従運動と抗議を行うよう求めた。

一方、米国、イギリス、ノルウェーの政府は25日遅くの声明で深刻な懸念を表明し、拘束された政府高官と関係者の即時釈放を要求した。

米主要メディアによると、ハムドゥーク首相はクーデターを支持するという声明の発表を拒み、その後まもなく非公開の場所で軟禁下に置かれたという。

スーダンの中央銀行はフェイスブックの投稿で、「軍事クーデターに抗議するストライキを開始した」と述べた。

スーダンの民主活動家であるハラ・アル・カリブ氏はアルジャジーラの取材に対し、「スーダンは岐路に立たされている」と述べ、国際社会に軍への圧力を強めるよう呼びかけた。

9月のクーデター未遂事件以来、軍政派の抗議者は各地でソブリン評議会の解散を求め、バーハン将軍にクーデターを決行するよう求めていた。

東部地域で活動する反政府組織は紅海州の州都である港湾都市ポート・スーダンの港、燃料パイプライン、幹線道路の封鎖を3週間以上継続しており、国の物流に深刻な影響を与えている。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はハムドゥーク首相とすべての関係者を速やかに解放するよう軍に求めた。「私はスーダンで進行中の軍事クーデターを非難します。スーダンは苦労して勝ち取った民主主義への移行と憲法を完全に尊重しなければなりません。国連は民主主義を求めるスーダン国民の横に立っています」

EUの外交政策責任者であるジョセップ・ボレルは、「暴力と流血は絶対に避けなければならない」と述べた。

イギリスは軍事クーデターを「国民に対する裏切り」と非難し、関係者の即時解放を求めた。

スーダンは1956年の独立以来、独裁者の支配下に置かれてきた。2019年に失脚した独裁者のオマル・アル=バシールはイラクのサダム・フセイン、リビアのカダフィ大佐、アルカイダのウサーマ・ビン・ラーディンやアイマン・ザワーヒリーなどと密な関係を構築し、米国のブラックリストにも掲載されている。

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