◎製薬大手シノバック社のワクチンの臨床試験を行ったブラジルの研究機関によると、同ワクチンの保護率を50.4%で、健康の専門家が有効か否かを判断する50%のしきい値をわずかに上回ったという。
報道によると、中国の医療トップは自国産コロナワクチンの有効性の低さを認めたうえで、他のワクチンとの併用や新たな自国産ワクチンを開発していると述べたという。
中国疾病対策予防センター(CCDC)の高 福(ガオ・フ)所長は4月10日に四川省成都で開催された会議の中で、「中国のコロナワクチンの保護率はそれほど高くない」と述べた。
中国共産党はメッセンジャーRNA(mRNAプロセス)を使用して製造されたファイザーワクチンの有効性に疑問を呈し、自国産のワクチンを諸外国に供給してきた。
高 福所長は、「現在、関係当局は国内の予防接種プログラムに他の様々なワクチンを使用できるかどうかを正式に検討しています」と述べた。
専門家は異なるワクチンの接種、または連続予防接種が感染予防率を高める可能性があると指摘しており、イギリスの研究者は、ファイザーとアストラゼネカワクチンの組み合わせを研究している。
AP通信によると、政府当局者は11日の記者会見で高 福所長の発言に関する質問を受け付けなかったが、CCDC関係者は、mRNAワクチンの開発および使用を検討していると認めたという。
CDCCのワン・フアキン氏はAP通信の取材に対し、「中国で開発されたmRNAワクチンは臨床試験段階に入っています」と述べた。
製薬大手シノバック社と国営企業のシノファームが製造したワクチンは、メキシコ、トルコ、インドネシア、ハンガリー、ブラジルなどの数十カ国に供給されている。
シノバックワクチンの臨床試験を行ったブラジルの研究機関によると、同ワクチンの保護率を50.4%で、健康の専門家が有効か否かを判断する50%のしきい値をわずかに上回ったという。ファイザーの保護率は約97%だった。
シノバック社のスポークスマン、リュー・ペーチェング氏はブラジルの臨床試験結果を否定しなかったが、保護率が低くなった理由は変異種や試験参加者の年齢など、他の要因も関連している可能性があると指摘した。
健康の専門家は、「複雑な承認プロセスを採用している日本、アメリカ、西ヨーロッパは中国産コロナワクチンの使用許可を恐らく認めないだろう」と述べた。
共産党指導部は他国のワクチンの使用を承認していない。
高 福所長は検討の詳細は明かさなかったが、mRNAワクチンの有効性を認め、効果的なものは積極的に取り入れるべきと主張した。「mRNAワクチンが人類にもたらす利益を考慮する必要があります。すでに別のワクチンを持っている、という理由でmRNAを無視すべきではありません」
新華社通信によると、高 福所長は以前、mRNAワクチンの安全性に疑問を呈していたという。
中国のマスメディアや健康と科学の情報を紹介しているブログなども、ファイザーワクチンの安全性と有効性に疑問を投げかけている。
保健当局のまとめによると、中国国内で1回目のワクチン接種を終えた人は4月10日時点で約6,500万人、2回接種した人は3,400万人を超えたという。