バイデン大統領、5月末までにすべての米国成人にコロナワクチンを提供すると誓約

◎ジョー・バイデン大統領は製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンとメルク・アンド・カンパニーがパートナーシップを結んだと発表した。メルクは先日承認されたＪ＆Ｊワクチンの生産を支援する。

3月2日午後、ジョー・バイデン大統領は製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソンとメルク・アンド・カンパニーがパートナーシップを結んだと発表した。メルクは先日承認されたＪ＆Ｊワクチンの生産を支援する。

バイデン大統領は2社のタッグを歓迎し、約3週間前に発表した「7月末までに全ての米国成人にコロナワクチンを届ける」という約束を変更した。

ジョー・バイデン大統領：
「ライバルであるＪ＆Ｊとメルクが手を結びました。世界最大の製薬会社が手を結び、ワクチンの生産に取り組んでいます。これは第二次世界大戦以来初となる歴史的な巨大企業のタッグです」

「国防生産法を発動し、2つのメルクの施設をＪ＆Ｊワクチンの生産基準に合わせる作業を開始しています。またＪ＆Ｊは、ホワイトハウスの要請と支援を受けて、ワクチン生産を安全に加速させる追加措置を講じています。同ワクチンの生産施設は、24時間年中無休で稼働します」

「私は以前の約束を訂正します。5月末までにアメリカの全ての成人にコロナワクチンを提供します」

食品医薬品局（FDA）はＪ＆Ｊワクチンの緊急使用を2月27日に承認している。Ｊ＆Ｊ社によると、ワクチン約390万回分の全米への出荷はすでに始まっており、本日（3月2日）最初の接種を終えたという。なお、このうち約80万回分が各地の薬局に直接届けられる予定。

同ワクチンの接種回数は1回。3大陸で実施された大規模な臨床試験の結果、重症化を防ぐ確率は85％、中等症は66％、最も懸念されている変異種に対しても効果を期待できることが分かった。

Ｊ＆Ｊ社は昨年8月に連邦政府と約10億ドル（1,070億円）の契約を結び、今年2月末までに約1,200万回分のワクチン出荷を目指していた。

同社のアレックス・ゴルスキーCEOは声明で、3月末までに約2,000万回分、6月末までに約1億回分、年末までに約10億回分の出荷を見込んでおり、「連邦政府との契約義務は果たせる」と述べた。

同ワクチンは変異種が蔓延するラテンアメリカと南アフリカで臨床試験を実施しており、様々な変異種に一定の効果を発揮すると期待されている。

ゴルスキーCEOはABCニュースのインタビューの中で、「ラテンアメリカの臨床試験に参加した感染者の約40％は変異種に感染していました」と述べた。

アレックス・ゴルスキーCEO：
「ラテンアメリカではブラジルの変異種などが蔓延しています。また、南アフリカの臨床試験に参加した患者の90％以上は南アフリカ株に感染していました」

「同社のワクチンはコロナウイルスに100％機能します。FDAも臨床試験結果を認めました」

ホワイトハウスは2日に州知事宛ての声明を発表している。当局者によると、ワクチンの供給量は今後数週間に渡って上昇し続けるため、供給に対処できる準備を整える必要があるという。

ジェン・サキ報道官は記者会見の中で、「Ｊ＆Ｊを含む3つのワクチンはFDAに認められ、安全かつ効果的であることが証明されています」と強調し、いずれかのワクチンを速やかに摂取することが大切だと述べた。

国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士も、いずれかのワクチンが手元に届いた時点で、迷うことなく接種してほしいと強調している。

アンソニー・ファウチ博士：
「Ｊ＆Ｊワクチンは手元にあります。一方、ファイザーもしくはモデルナワクチンは3週間後に入荷されます。私とあなたは迷わずＪ＆Ｊを接種します。予防接種は早ければ早いほどよい。3つのワクチンは全て効果的ですから、届いたものを迷わず接種してください」

Ｊ＆Ｊのワクチンについて

・1回投与。

・冷蔵庫で保存できる。

・超低温保存を必要としないため、輸送しやすい。

・18歳の以上の人々に十分な安全を保証できる。

コロナウイルスワクチン：分かっていないこと

・妊娠中の女性や免疫力が低下している人に対しての使用可否および効果。

・18歳以下への効果。（子供を対象とする臨床試験はまだ行われていない）

・HIV／AIDS患者やコロナウイルスから一度回復した人への効果。

・アレルギー反応を引き起こす可能性あり。

・接種者はコロナウイルスから保護されるが、「ウイルスの拡散を防ぐ効果があるかどうか」はまだ分かっていない。

・接種者はコロナウイルスから完全に保護される？症状から保護される？

・コロナウイルス変異種に対する効果。

・免疫を保持できる期間は？