◎スコット・モリソン首相はフェイスブックに投稿した声明の中で、「フェイスブックはオーストラリアの友達をブロックした」と述べた。
オーストラリアの新たな法律をめぐり、AUSのニュースコンテンツ(記事)をブロックしたフェイスブックは非難の嵐に直面している。
ハイテク企業に対抗する新たな法律が施行されれば、ソーシャルメディア企業は自社のプラットフォームに表示されたニュースコンテンツに対する掲載料(使用料)の支払いを義務付けられる。
ファイスブックはこの法律を非難したうえで、「出版社との関係を誤解している」と述べた。
しかし、いくつかの国の政治家、出版社、権利団体は巨大ハイテク企業の独占を却下し、情報に対する対価の支払いを要求している。
フェイスブックが2月18日に発出した新しいルールにより、オーストラリアの出版社のニュースコンテンツはプラットフォーム内で表示されなくなり、共有も不可能になった。
また、フェイスブックは政府機関が投稿したコンテンツも一時的にブロックしたが、「コロナウイルスなどの健康に関する必要不可欠な情報までブロックした」と非難が集まり、これらのコンテンツはオンラインに戻った。
スコット・モリソン首相はフェイスブックに投稿した声明の中で、「フェイスブックはオーストラリアの友達をブロックした」と述べた。
スコット・モリソン首相:
「私はフェイスブックの行動に失望している。彼らは傲慢だ。私は他国の指導者と定期的に連絡を取り合っており、この脅迫に屈することはない」
シドニー・モーニング・ヘラルドによると、モリソン首相はインドのナレンドラ・モディ首相と電話会談を行い、巨大ハイテク企業の問題について話し合ったという。
他のオーストラリア当局もフェイスブックの凶行を非難している。
ジョシュ・フライデンバーグ財務長官は、コンテンツのブロックは市民に大きな影響を与えたと述べた。
報告によると、オーストラリアの市民、約1,700万人が毎日ソーシャルメディアを利用しているという。その多くがフェイスブックのプラットフォームを通して国内のニュースにアクセスする。
西オーストラリア州のマーク・マガワン州首相は声明で、「フェイスブックは北朝鮮の独裁者のように振舞った」と述べた。
オーストラリアのユーザーたちは、ニュースコンテンツがブロックされることで、誤った情報や陰謀論が広まると懸念を表明している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのオーストラリア支部はフェイスブックの検閲を「危険な行為」と呼び、非難した。
人権団体アムネスティ・インターナショナルで活動する活動家は、「検閲は間違いであり、フェイスブックは信頼を失いました」と述べた。
フェイスブックは国外でも非難に直面している。
イギリス議会はこの措置を「いじめ」と呼んだ。英ガーディアン紙とその所有企業は声明で、「深く懸念している」と述べた。
ドイツの出版社協会は、「ハイテク企業のプラットフォームの市場支配を制限する時が来ました」とフェイスブックの対応を非難した。
一方、フェイスブックはプラットフォーム上の有害な情報は削除し続け、信頼できる情報のみを表示すると主張している。
報告によると、広く共有されている誤った情報のひとつがコロナワクチン関連のトピックだという。
フェイスブックを凶行に走らせた新たな法律は2月17日に下院を通過し、上院は来週審議したうえで可決する可能性が高いと伝えられている。
検索大手のグーグルもこの法律に反対しているが、一部の企業(ニューズ・コーポレーション)とはニュースコンテンツに対する掲載料の支払いに合意している。