◎米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は2月7日に行われる第55回スーパーボウルに先立ち、「間違ってもスーパーボウルパーティーを開催してはいけない」と警告した。
米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は2月7日に行われる第55回スーパーボウルに先立ち、「間違ってもスーパーボウルパーティーを開催してはいけない」と警告した。
<スーパーボウルの概要>
・毎年2月上旬の日曜日に開催。
・ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の頂点を決める一戦。
・開催地にもたらす経済効果は約6億ドル(630億円)。
・試合当日に全米で消費されるビール関連の売り上げは10億~12億ドル(1,000億~1,250億円)。
・試合当日に全米で消費されるポテトチップスの売り上げは約300万ドル(3.2億円)。
・世界の視聴者数は1億~1.2億人。
・30秒のCMを出すためにかかる費用は約480万ドル(5億円)。
・世界を代表するアーティストがハーフタイムショーに登場する。
ファウチ博士はABCニュースのアンカーに、「スーパーボウルがコロナウイルスと変異種を拡散するイベントになる可能性はあるか?」と質問され、「ない」と断言した。
アンソニー・ファウチ博士:
「つまり、スーパーボウルは自宅で楽しんでください。自宅で家族と静かに試合を観戦することが大切です」
「よって、スーパーボウルパーティーは開催しないでください。私たち(ホワイトハウス)は大勢が一カ所に集まることを望んでいません。無症状の感染者がいる可能性もあります。誰が感染しているか分かりません。今回はとにかく冷静に、静かに自宅で観戦してください」
世界最大のホットスポットになったロサンゼルス郡の保健当局も、冷静に行動してほしいと市民に呼び掛けている。同郡の累計感染者数は約114万人、累計死亡者は17,500人を超えた。
同郡の公衆衛生責任者、バーバラ・フェラー博士は2月3日の声明で、「スーパーボウルパーティーは街の回復を狂わせる力を持っています。郡内では変異種の感染が複数確認されており、パーティーは間違いなく感染を加速させるでしょう」と警告した。
カリフォルニア州公衆衛生局のマーク・ガリー博士は、「昨年秋のスポーツイベントとハロウィーン後の感染拡大を思い出してほしい」と述べた。
マーク・ガリー博士:
「ドジャース(MLB)とレイカーズ(NBA)の優勝とハロウィーンの熱狂がカリフォルニア州に多くの死をもたらしました。スーパーボウルとピザとビールは自宅で楽しんでください」
「カリフォルニア州の多くの郡の感染率が10万人あたり25人未満に低下しています。私たちは警戒し続ける必要があります。スーパーボウルをスーパースプレッダーイベントにしてはいけません」
ガリー博士は友人や他の世帯が集まる場合は社会的距離を保ち、マスクを着用するよう呼び掛けた。
決戦の地、フロリダ州ヒルズボロ郡の保健当局は今週、疾病予防管理センター(CDC)のスーパーボウルに関する注意事項を引用し、市民に警戒を怠らないよう繰り返し呼びかけた。
AFC王者のカンザスシティ・チーフスを応援するミズーリ州カンザスシティの保健当局も、自宅でバーチャルパーティーを開催するよう繰り返しアドバイスし、友人と観戦する場合は、マスク、社会的距離、手洗いのルールを守るよう警告した。
カンザスシティのクイント・ルーカス市長は声明で、「コロナウイルスとの戦いはまだ終わっていない」と述べた。
NFC王者のタンパベイ・バッカニアーズを応援するフロリダ州タンパのジェーン・キャスター市長も、「私たちは大一番を祝うときも他人の命を危険にさらさないようにします。コロナの拡散を防ぐための対策を徹底しましょう」と呼びかけた。
別の指導者たちも、混雑したスポーツバーに飛び込むのではなく、お気に入りのレストランでテイクアウトを注文し、自宅で優雅に観戦するよう呼び掛けている。
カンザスシティの当局者は「優勝パレードは開催しない」と先日発表した。
一方、タンパの当局者も「祝賀会は極めて安全なものになるだろう」と誓約している。