◎グアテマラの治安部隊は、隣国ホンジュラスとの国境付近に押し寄せた移民希望者(推定7,000人)に催涙ガス弾を撃ち込み、応戦した。
◎ホンジュラスの市民、特に貧困層の生活は、昨年11月に大きな被害をもたらした巨大ハリケーンの上陸後に著しく悪化した。
1月17日、ホンジュラスからアメリカを目指す数千人の移民キャラバンがグアテマラの治安部隊と正面衝突した。
グアテマラの治安部隊は、隣国ホンジュラスとの国境付近に押し寄せた移民希望者(推定7,000人)に催涙ガス弾を撃ち込み、応戦した。
グアテマラ政府は暴徒化した移民希望者に、「違法な大衆運動は受け入れられないだろう」と警告したうえで、直ちに退去するよう呼びかけた。
ホンジュラスの市民は深刻な貧困、迫害、昨年11月の巨大ハリケーン、腐敗した政府、汚職、そして凶悪犯罪グループ「マラス」の暴力などに悩まされている。
毎年数万人が中央アメリカからアメリカへの移住を希望する。そして、彼らの大半は自国から徒歩でアメリカを目指す。
ジョー・バイデン次期大統領はトランプ政権の移民政策を直ちに撤廃し、危険にさらされている中央アメリカの移民希望者を受け入れると誓約している。
しかし、移民希望者の窮状を見たバイデン氏は声明で、「移民政策が一夜で変わることはない」と警告し、危険な旅をやめるようホンジュラスの市民に呼びかけた。
報道によると、17日午前7時頃に約100人の移民希望者が国境に近づき、治安部隊から激しく殴打されたという。
治安部隊は警棒で人々を打ち負かし、催涙ガス弾を撃ち込んだ。
ある男性はひどく負傷し、壁に寄りかかった状態で地元メディアの取材に応じた。
「部隊は私の頭を何度も殴った。私たちはトラブルを望んでいない。ただ、アメリカに移住させてほしいだけだ」
グアテマラ人権局のレイラ・ロドリゲス氏はABCニュースの取材に対し、「悲惨な状況に心を痛めている」と述べた。
一方、ホンジュラスのアレハンドロ・ジャマティ大統領はコロナウイルスのさらなる感染拡大を招く可能性があるため、キャラバンの即時撤退および解散を求めている。
グアテマラの保健省によると、保健センターで医療処置を受けた21人(男性12人、女性9人)がコロナ検査で陽性と診断されたという。
当局者は、「グアテマラ国内の施設で陰性と診断されるまでホンジュラスに送還されることはない」と述べた。
ホンジュラスの市民、特に貧困層の生活は、昨年11月に大きな被害をもたらした巨大ハリケーンの上陸後に著しく悪化したと伝えられている。
娘と一緒にアメリカを目指しているダニア・ヒネストローザ氏(23歳)はAP通信の取材に対し、「ホンジュラスには仕事も食べ物もないので、アメリカに行くことにしました」と語った。
バイデン氏の移行チームは中央アメリカの移民希望者に対し、国境への危険な旅をやめるよう警告している。
ある高官はNBCニュースのインタビューの中で、「移住を希望している人々は、正しく手続きを終えた希望者だけがアメリカに入国できると理解しなければならない」と述べた。
アメリカ国税・国境警備局(CBP)のマーク・モーガン局長代理は先週の声明で、「南部から移住を希望する市民は、時間とお金を無駄にしないでほしい」と呼びかけている。
一方、中央アメリカの各国政府は、移民キャラバンの国境通過を阻止すると誓約している。
1月16日、メキシコ外交部は声明で、グアテマラ当局の対応を称賛した。
声明によると、メキシコ政府は、主権を侵害する移民に断固たる態度で対応したグアテマラ政府を誉め称えたという。
外交部の当局者は、「受入国の生命と健康を危険にさらす規制されていない無秩序な移民は拒否する」と述べた。
ホンジュラス共和国