スポンサーリンク
▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は12日午後の時点で5万2862人、負傷者は11万9648人となっている。
2025年5月12日/パレスチナ自治区、ガザ市の配給所(ロイター通信)

イスラエル軍が12日、パレスチナ・ガザ南部などを空爆・砲撃し、過去24時間で少なくとも39人が死亡、100人近くが負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、南部ハンユニスのナセル病院も標的となり、ジャーナリスト1人が死亡したという。

アルジャジーラは保健当局者の話しとして、「ハンユニスやガザ市で大きな爆発が確認され、避難所も標的になった」と伝えている。

ガザ全域で飢餓のリスクが劇的に高まる中、国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は12日、ガザの全住民が大飢饉に直面しているとして、イスラエルにガザ封鎖を解除し、支援物資の搬入を再開するよう改めて求めた。

イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。

この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけてきた。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は12日、イスラム組織ハマスが米国籍のイスラエル兵1人を解放したことを受け、「停戦交渉のために仲介者をカタールに派遣する」と明らかにした。

ネタニヤフ政権は先週の閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの「征服」および住民の強制移住が含まれている。

イスラエルはガザを征服したうえで、領土を保持し、パレスチナ人をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。

イスラエル政府はこの計画に先立ち、数万人の予備兵を招集中だ。ネタニヤフ氏はトランプ(Donald Trump)米大統領の中東歴訪が終わり次第、この計画を実行に移すと主張している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は12日午後の時点で5万2862人、負傷者は11万9648人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

10以上の国連機関、政府、援助団体などが参加する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の飢饉調査委員会(FRC)は12日、ガザ地区の現状について、「壊滅的な飢饉」が発生する恐れがあると警告した。

IPCはガザ地区の現状について、「約210万人が深刻な食糧不安に直面している」と指摘。これはIPCのフェーズ3以上を指す。

フェーズ3は危機レベルの飢餓と定義され、フェーズ4は緊急事態、フェーズ5は大災害または飢饉とみなされる。

IPCによると、ガザの人口の4分の3はフェーズ4に分類され、餓死者も確認済み。封鎖が維持された場合、9月末までに47万人がフェーズ5に分類される可能性があるという。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク