スポンサーリンク
▽ドゥテルテ氏は今年3月、国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に基づき、首都マニラの空港で逮捕、ハーグに送還された。
2025年5月12日/フィリピン、ミンダナオ島ダバオ、ドゥテルテ前大統領の帰還を求める集会(ロイター通信)

フィリピンドゥテルテ(Rodrigo Roa Duterte)前大統領が12日、ミンダナオ島ダバオの市長選で地滑り的勝利を収め、勾留先のオランダ・ハーグで有権者に謝意を表明した。

選挙管理委員会によると、開票率80%の時点でドゥテルテ氏の票数は2位候補の8倍に達したという。

ドゥテルテ氏は昨年10月、ダバオ市長選に立候補した。

しかし、ドゥテルテ氏は今年3月、国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状に基づき、首都マニラの空港で逮捕、ハーグに送還された。

ドゥテルテ氏は在任中、ハリウッドスターのクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)さんが演じた法律をほとんど考慮しない映画キャラクター「ダーティハリー」を模して「ドゥテルテハリー」と呼ばれ、麻薬組織に対する数千件の超法規的殺人を容認し、軽微な犯罪を含む薬物関連の被疑者6000人以上を殺害した。

人権団体はこの取り締まりによる犠牲者の数を1万人以上と推定している。

ドゥテルテ氏は麻薬使用者の処刑を容認していないものの、麻薬組織の構成員は「殺しまくる」と脅し、摘発に抵抗する容疑者を射殺するよう警察に命じた。

ICCは数千人のフィリピン人を殺害した血生臭い「麻薬戦争」を主導したドゥテルテ氏が「人道に対する罪」を犯したとして、捜査を進めてきた。

「狂犬」「パニッシャー」などと呼ばれたドゥテルテ氏の市長選勝利は、同氏が地元で圧倒的な支持を得ている証である。

ドゥテルテ氏のフェイスブックアカウントには支持者からの祝福メッセージが殺到。帰還を求める声もあった。

「おめでとう、D!彼を家に連れて帰ろう」というコメントもあった。

やんちゃなドゥテルテ氏はICCで裁判を受ける最初のアジア人元国家元首となる可能性がある。

弾劾される可能性があるサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)副大統領は12日、父親がダバオ市長選で勝利を確実にしたことについて、記者団に対し、「ICCは父が宣誓書を受け取ったら、どのように宣誓するか話し合う用意があると言った」と語った。

ドゥテルテ氏逮捕の背景にはマルコス家との長年に渡る確執がある。

マルコス家とドゥテルテ家はフィリピンで最も強力な一族であり、激しい権力争いを繰り広げてきた。

マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr.)大統領とサラ氏は22年の大統領選で勝利して以来、何度も対立してきた。フィリピンでは副大統領も選挙で選出するため、同国を代表する2つの勢力がポストを占める結果となった。

サラ氏は昨年11月、自身が暗殺された場合、マルコス・ジュニア氏とその妻、下院議長を殺害するために暗殺者と契約を結んだと明らかにした。

国家捜査局(NPI)はこの事態を受け、サラ氏に召喚状を送り、マルコス・ジュニア氏との争いの詳細を明らかにするよう命じた。

議会下院(定数316)は2月初め、サラ氏の弾劾決議案を3分の2以上の賛成多数で可決し、上院(元老院、定数24)に送った。

上院は弾劾決議案の採決時期について、5月の上院選挙で12議席が改選された後になるという見通しを示している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク