▽ブルキナは人口約2000万人の内陸国。22年9月のクーデターで前軍政を追放したトラオレ大尉はイスラム過激派との全面戦争を宣言している。
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国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は12日、アフリカ西部・ブルキナファソの軍事政権が今年3月に民間人を少なくとも100人殺害したと明らかにした。
それによると、軍の特殊部隊と親政府民兵が虐殺に関与。犠牲者はサヘル地域に広く存在する遊牧民フラニ人であった。
軍政は長い間、フラニ人がイスラム過激派を支援していると非難してきた。
HRWは目撃者などの話しを引用し、「軍による一斉摘発は2月27日から4月2日まで続き、数百人の兵士、親政府民兵、数百機のドローンが関与した」と述べている。
生還したフラニ人の女性はHRWのインタビューで、「兵士は獲物を狩るように人間を撃ち、ドローンが頭上を飛び回る中、多くの女性や子供が逃げ遅れて死んだ」と語った。
この攻撃後、数百人のフラニ人が隣国マリに逃亡したという。
HRWがソーシャルメディアで公開した動画には、陸軍の兵士とみられる男が遺体が散乱する集落の中を歩く様子が映っていた。
ブルキナは人口約2000万人の内陸国。22年9月のクーデターで前軍政を追放したトラオレ(Ibrahim Traore)大尉はイスラム過激派との全面戦争を宣言している。
この紛争による死者は数万人、避難者は200万人以上と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
ブルキナとその隣国マリおよびニジェールは軍事クーデター後、旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、サヘル諸国連合(AES)を形成してロシアに接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、一般市民を巻き込みながら過激派を掃討している。
3カ国は1月末、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)から正式に脱退した。
国連によると、ブルキナのイスラム過激派は現在も国土の40%を支配している。