▽ブレグジット後、EUからイギリスに渡る移民の数は急激に減少したが、新しいビザ規則、ウクライナと香港からの移民の増加、外国人学生の増加により、近年その数は急増している。
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イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相は11日、移民制度を見直し、市民権取得の審査を厳格化すると表明した。
スターマー政権は12日に移民削減のための新法案を公表する予定だ。反移民を掲げる新興右派政党「リフォームUK」のファラージ(Nigel Farage)党首は与党・労働党と最大野党・保守党が移民を積極的に受け入れた結果、経済が低迷し、暴力が蔓延していると主張している。
リフォームUKは今月初めの地方選で初めて地方議会の過半数を確保。さらに、初めて2つの首長ポストも獲得した。
内務省は週末、熟練労働者ビザを大学院レベルの申請者に制限し、介護分野の企業が海外で移民を採用するのを阻止し、地元労働者の訓練を増やすよう企業に求める計画を発表した。
スターマー氏は11日の声明で、「この新法により、就労、家族、就学を含む移民制度のあらゆる領域が強化されるだろう」と述べた。
またスターマー氏は「この新法で不法移民の数は減少する」と強調した。
この法案が成立すれば、イギリスに移住する移民が市民権を得るまでの期間が現在の5年から10年に変更される。
市民権がない移民は福祉給付金を得られず、公営住宅にも入居できない。
ブレグジット後、EUからイギリスに渡る移民の数は急激に減少したが、新しいビザ規則、ウクライナと香港からの移民の増加、外国人学生の増加により、近年その数は急増している。
政府の統計によると、22年7月~23年6月までの1年間でイギリスに入国した移民(不法入国含む)は過去最高の90万6000人に達した。イギリスがまだEUに加盟していた2019年の同時期は18万4000人であった。