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▽両国は停戦の一環として、陸、空、海におけるすべての軍事行動を直ちに停止することで合意した。
2025年5月10日/パキスタン、東部ラホール、パキスタンとインドの停戦合意を歓迎する人々(AP通信)

インド軍参謀本部は11日、隣国パキスタンの係争地カシミール地方への攻撃でイスラム主義組織の指導者を含む100人以上の過激派を殺害したと主張した。

参謀本部の報道官は記者会見で、「カシミール地方の9つのテロリストインフラへの攻撃で著名な指導者を含む100人以上の戦闘員を殺害した」と述べた。

また報道官は「この攻撃時、パキスタン軍は慌てふためき、混乱していた」と主張した。

インドのジャンムー・カシミール州で観光客が殺害されて以来、両国間の緊張は一気に高まり、本格的な戦争に発展する可能性も出ていたが、両国は10日、完全かつ即時の停戦に合意した。

この事件はジャンムー・カシミール州近郊の山岳地帯にある観光地で4月22日に発生。正体不明の武装集団が観光客に向けて発砲し、26人が死亡、17人が負傷した。その多くがインド人であった。

インド政府はこの地域に陸軍を派遣し、容疑者を追跡している。

インド政府はこの事件を受け、パキスタン国民に発行したすべてのビザ(査証)を剥奪した。

パキスタンはインドの外交スタッフの削減、両国間で唯一機能している陸上国境の閉鎖、インドとの水共有条約を停止するなどの対抗措置を発表した。

またパキスタンはインドが所有または運営するすべての航空会社の領空への進入を禁じ、インドとの貿易を停止した。インド側も同様の措置を取っている。

インド政府はこの事件にパキスタン政府が関与したと主張しているが、その証拠は示していない。

インド軍は6日未明、パキスタンの統治下にあるカシミールに向けてミサイルを発射。インド国防省はカシミールのテロリストインフラ9カ所を標的にしたと明らかにしていた。

パキスタン軍によると、このミサイル攻撃で女性や子供を含む少なくとも31人が死亡、大勢が負傷したという。

双方はこのミサイル攻撃後、カシミールの境界で激しい銃撃・砲撃戦を繰り広げた。パキスタンは40~50人のインド兵を殺害したと主張している

両国は停戦の一環として、陸、空、海におけるすべての軍事行動を直ちに停止することで合意した。

パキスタン軍は11日、インドが「先に停戦を求めたのはパキスタンである」と説明したことについて、「先に停戦を懇願したのはインド政府だ」と主張した。

またパキスタン軍はインド軍の6日のミサイル攻撃の報復として、合計26カ所のインド軍拠点を標的にしたと述べた。

停戦発表後、両国は相手が合意を無視して砲撃したと主張し、非難の応酬になっている。

パキスタン政府は先週、防空部隊がカシミール上空を飛行していたインド空軍の戦闘機5機を撃墜したと主張。インド軍はこの主張についてコメントしておらず、代わりにパキスタン空軍の戦闘機を複数機撃墜したと主張している。

インドとパキスタンはそれぞれカシミールの一部を管理している。この係争地をめぐる領有権争いが解決する目途は立っていない。

カシミールでは24年9月末頃から暴力事件が急増し、多くの市民が爆弾テロや銃撃戦に巻き込まれてきた。

カシミールの反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、中央政府と戦ってきた。カシミールで生活するイスラム教徒の多くがパキスタンへの編入か独立という反政府勢力の目標を支持している。

インド政府は2019年、「歴史的大失態」の是正として、70年間に渡って認めてきたジャンムー・カシミール州の自治権を剥奪した。

ジャンムー・カシミール州はインドで唯一、イスラム教徒が多数派の州であり、ヒンズー政策を推進する政府と何度も対立してきた。

インドは21年、射程5000キロの核搭載可能大陸間弾道ミサイル「アグニ5」の発射実験に成功。これは長距離地対地弾道ミサイルである。

インドは1947年にイギリスから独立して以来、パキスタンと3度の戦争を戦ってきた。これらのミサイルはパキスタンの全国土を射程に収めている。

パキスタンも核保有国であり、中長距離ミサイルの開発を進めている。

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